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外部デバイスなしでマイクロ波フォトニックフィルタを再構成

October, 19, 2020, Lausanne--EPFLフォトニクスシステムズラボの研究者は、外部デバイスなしでマイクロ波フォトニクスフィルタを再構成する方法を考案した。これは、実用的で安価に利用できる、よりコンパクトで環境に優しいフィルタにつながる。潜在的なアプリケーションには、検出や通信システムが含まれる。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。

フォトンは、高速でエネルギー消費が少ないため、無数のタスクで電子に取って代わるようである。これらの微小な光粒子には、驚くほど柔軟であるという別の利点かある、その周波数は電子と比べると1000~10000倍大きい。したがって、マイクロ波の操作に電子よりも光を使うことで、連携する帯域幅が著しく広くなる。フォトンは、特に通信システム、IoTおよび、アンテナシステムで使われる信号処理法、ビーム成形で有用である。しかし、現状では、マイクロ波フォトニックシステムはコンピュータチップで光パルスを生成できない、これはチップをより環境にやさしく、安価で実用的に利用できるよにすることになる開発である。EPFLのフォトニクスシステムズLabの研究者は、この領域で大きなブレイクスルーを達成した。研究チームは、再構成可能無線周波数フィルタを開発した。これは、大きな外部デバイス不要で高品質マイクロ波を生成できる。マイクロコム内の2つのパルスの干渉を作ることで、正確にパルスをコントロールでき、出力無線周波数を再構成できる。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。

光源をチップに組み込む
マイクロ波フォトニックフィルタは、情報を引き出すために、入力無線周波数を、フォトニックデバイスで処理できる光信号に変換する。光受振器は、信号を無線周波数に戻す。遡ること、今年の4月、EPFL研究所、K-Labの研究チームが、窒化シリコン(SiN)チップ上に異なるタイプのマイクロコムを作り出すことに成功した。目的は、高品質ソリトンパルス信号を作ることである。残っていたのは、そのパルス信号を使ってマイクロ波を再構成し、そのシステムが、以前の、もっと大きなデバイスと同様に柔軟、リニア、スペクトル的にピュアでノイズフリーであることの証明だった。正しく、Photonics Systems Labの研究者が、チップを最適化して実行したことである。

コインよりも小さな、これらのチップで利用された技術は、光と周辺環境との相互作用の仕方に基づいている。信号の波長は光源を変えるか、光が透過する光チャネルの形状または材料を変えるか、そのいずれかによって変更可能である。「複数の波長を結合できる光源を使うことは、フィルタの構造を非常に簡素にできることを意味する」とCamille Brèsは説明している。「光パルスを変えることで周波数を再構成できるなら、われわれは物理的なサポートは必要としない」。研究チームの主要な成果は、ラップトップサイズの光生成器を微小なオンチップ光共振器で置換えできたことでる。ここでは、完全なソリトンを生成するためにレーザパルスが使われている。

出力周波数を変える
これらのフィルタが多様なアプリケーションで使用されるために、出力周波数を変えることもできなければならない。「現在のフィルタは、出力周波数を設定し、波の品質を改善するためにプログラマブルパルス波形を必要とする。つまり、これはシステムを複雑にし、市場投入を困難になる」と同研究所のPh.D学生、研究の筆頭著者、Jianqi Huは言う。この問題を克服するために研究チームは、それらの角度を変えることで、2つのソリトン間でオンチップ干渉を作り出し、フィルタの周波数を再構成することができた。このブレイクスルーは、これらのシステムが完全ポータブルで、5Gやテラヘルツ波で使えることを意味する。

(詳細は、https://news.epfl.ch)