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量子ネットワークを可能にする微小光キャビティ

October, 15, 2020, Pasadena--Caltechのエンジニアは、光キャビティ内の原子が量子インターネット実現の基礎をなすことを示した。研究成果は、Natureに発表された。

量子ネットワークは、古典的、水平なにではなく、量子で動作するシステムを通じて量子コンピュータを接続する。理論的には、いずれ、量子コンピュータは、古典的コンピュータよりも、ある作業を高速にできるようになる、それには、重ね合わせを含め、量子力学の特殊機能を利用する。これにより量子ビットは、情報を1と0として同時に蓄積することができる。

古典的なコンピュータでできるように、データを共有したり協働させるためにエンジニアは多数の量子コンピュータを接続することができる。つまり「量子インターネット」を構築する。これはいくつかのアプリケーションに扉を開く。大きすぎて1台の量子コンピュータでは扱えないような計算を解く、量子暗号を使い破られることのないセキュアな通信を構築することが含まれる。

機能するには、量子ネットワークは、2点間で伝送される情報の量子特性を変えることなく伝送できる必要がある。現在のモデルの一つはこのように機能する。単一原子、あるいはイオンは、スピンなど、その量子特性によって情報を蓄積する量子ビットとして機能する。その情報を読み出し、どこかへ伝送するには、その原子は光パルスで励起され、それによってフォトンを放出する。そのスピンは、原子のスピンとエンタングルしているのである。すると、そのフォトンは、原子とエンタングルした情報を、光ファイバケーブルで長距離伝送できる。

しかし、それは思ったよりも難しい。制御し計測できる原子を見つけること、誤りの原因となる、つまりデコヒレンスを招くような、磁界や電界の振動に影響されすぎない原子を見つけることは簡単ではない。

「光とよく相互作用する固体エミッタは、デコヒレンスの餌食になることがよくある。つまり、量子エンジニアリングの観点から有用な仕方で情報を蓄積できなくなる」と論文の筆頭著者、Jon Kindemは説明する。その一方で、希土類元素の原子、つまりその原子をqubitsとして役立たせる特性を持つ元素の光との相互作用が低下する。

この問題を克服するために、CaltechのAndrei Faraon、応用物理学/電気光学教授は、ナノフォトニックキャビティを構築した。これは、周期的なナノパタニングを持つ長さが約10マイクロンのビームで、1つの結晶からとられている。次に、チームはビームの中央に希土類イッテルビウムイオンを確認した。その光キャビティによりチームは、光をビームまで何度も前後に跳ね回らせ、最終的に、そのイオンによって吸収される。

Natureの論文では、チームは、キャビティがイッテルビウムイオンの環境を変更することを示した。それがフォトンを放出する時はいつでも、フォトンがキャビティに時間の99%以上とどまるようにするためである。そこでは研究者は、今度はそのフォトンを効率的に収集、検出してイオンの状態を計測する。これは、イオンがフォトンを放出できるレートを増やすことになり、システムの全般的な効率を改善する。
 
その上、イッテルビウムイオンは、そのスピンに情報を30ms蓄積できる。この時間で光は、米国大陸を横断する情報を伝送できる。「これはほとんどのボックスをチェックする。それは希土類イオンであり、正に、われわれが量子ネットワークを作るために必要とするような方法でフォトンを吸収し、放出する。これが、量子インターネットのバックボーン技術を形成できるのである」と応用物理学と電気光学教授、Faraonは説明している。

現在、チームは量子ネットワークのビルディングブロック構築に焦点を当てている。次に、その実験を拡張し、実際に2つの量子ビットを接続する、とFaraonは話している。

(詳細は、https://www.caltech.edu/)