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UCLエンジニア、インターネット速度で新記録

September, 3, 2020, London--Dr Lidia Galdino (UCL Electronic & Electrical Engineering)をリーダーとする研究チームは、XteraおよびKDDI研究所と共同で、伝送レート178Tb/sを達成した。これは、全Netflixライブラリを1秒以下でダウンロードできるスピードである。

現在、世界で導入されているシステム容量の二倍になるこの記録は、光ファイバで一般に使われている波長範囲よりもはるかに広い範囲でデータを伝送することによって達成された(現在のインフラストラクチャは、制約された4.5THzスペクトル帯域を利用、9THz商用帯域システムが市場に登場しつつあるが、研究チームは16.8THz帯域(S-, C- および L-バンド)を利用した。

これを実現するために研究チームは、この広い帯域で信号パワーを増幅するために必要な様々な増幅器技術を統合した、また新しいGeometric Shaping (GS)コンステレーション(信号の組み合わせパタン、光の位相、輝度、偏光特性を最大限利用)を開発してスピードを最大化し、個々の波長の特性を操作した。研究成果は、IEEE Photonics Technology Lettersに発表された。

この技術の利点は、既存インフラストラクチャにコスト効果よく導入できること、これは40~100km間隔で光ファイバルートに存在する光増幅器をアップグレードすることによって行われる(増幅器のアップグレードコストは、16000ポンド、一方、都市部に光ファイバを新設すると、キロメートル当たりコストは450000ポンドとなる)。

このスピード新記録は、1949年、アメリカの数学者、Claude Shanononが設定したデータ伝送の理論限界に近い。

「現在、最先端のクラウドデータセンタインタコネクションは、最大35Tb/s伝送が可能であるが、われわれは既存のインフラストラクチャをもっと効率的に利用する新技術に取り組んでおり、光ファイバ帯域の利用を改善し、世界記録の伝送レート178Tb/sを可能にした」と論文の主筆、Dr Galdinoはコメントしている。

(詳細は、https://www.ucl.ac.uk)