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オンチップフォトニックデバイスにハイブリッドプラズモン導波路

July, 9, 2020, Sydney--シドニー大学の研究チームは、光を閉じ込めるための金属と、ロスレス導波路としての誘電体を組み合わせることで「ハイブリッド」デバイスは、従来フォトニックソリューションの欠点を回避できる、と説明している。

電話からタブレットコンピュータまで、情報の高速処理は、現代社会にとって重要である。情報は、伝統的に主にエレクトロニクスの組合せで実行されるが、これはあまりに遅く、エネルギーを消費しすぎるようになっている。代替技術の中では、フォトニクスが最も有望である。高速で、エネルギー効率が良く、コンパクトだからでる。しかし、見込のあるフォトニクスソリューションはまだ大きすぎるか、光が金属構造を走るときに抵抗損が高い、そのいずれかであり、光をナノスケールにする必要がある。光を閉じ込めるためのみ金属、ロスレス導波路としての誘電体を統合することで、「ハイブリッド」デバイスは従来のフォトニックソリューションの欠点を回避する。

情報の高速転送と高速処理は、われわれの現代社会では極めて重要である。情報は、概ねエレクトロニクストオプティクスの組み合わせで実行される。情報の処理と、その結果を光信号に変換する。フォトニクスは、その光信号を光ファイバで長距離伝送するためである。しかし、これら伝統的な役割は、ますます多くなる情報需要に応えるには十分でない。エレクトロニクス装置は、ますますボトルネックになっている。それらは、大きく、高い消費電力、遅い処理能力、電磁干渉の影響を受けやすいからである。光ベースのデバイスが、その役割の一部を代替しつつある。単なる情報転送と言うより、大型コンピュータ(インタコネクト)の多様なサーキットボード間の情報転送、情報のオンチップ処理である。フォトニクスは、魅力的である。光デバイスは高速応答であり、電磁干渉の影響を受けず、非常に低消費電力であり、並列処理ができるからである。エレクトロニクスの一定の役割を代替するには、光はそれ自身と相互作用する必要がある。ただし、これは光強度が低いと起こらない。適切な材料で光強度が十分に高いと、光はそれ自身と相互作用し、例えば新しい色(周波数)を生成する。これら非線形現象は、光強度依存である。

非線形光学効果は非常に弱い。相当な非線形現象を利用するために2つのアプローチが探求されてきた。(i)ガラスあるいは半導体(フォトニクス)などの透明材料。これらは光波長の半分程度にしか圧縮できないので、長い伝搬距離を必要とし、大きな線形サイズになる。(ii)不透明な、金属のうよな吸収材料(プラズモニクス)。これは、光を大幅に圧縮し、大きな光強度が生ずる。伝搬長が必要とされない限り、コンパクトな構造になる。しかし、高い損失のためにこのアプローチは、その全潜在力を達成できない。

この研究プロジェクトの全般的な目標は、モデリングと実験を通じて、金属と誘電体の最高の特性を組み合わせたハイブリッド構造の探求である。これは、高い光強度、適切な損失、オンチップ適合を示すものとなる。

全てのオンチップフォトニックデバイスの基本構造は導波路である。したがってわれわれの基本的ハイブリッド構造は、非線形誘電体材料(コア) でできた導波路である。これは、金属層(プラズモニック構造)と別の誘電体材料に挟まれており、高い非線形性を示している。われわれはこれをハイブリッドプラズモニック導波路(HPWG)と言う。ハイブリッドプラズモニックアーキテクチャは、従来のフォトニクスとプラズモニクスのベストの特性を統合しており、また場の閉じ込めを強くすることができる。そのような強い閉じ込めは、大きな光強度になる。つまり、結果的に強い非線形効果が得られる。重要な点は、その構造は、損失の低いビュアフォトニック構造よりも、ピュアプラズモンデバイスよりも、もっと大きな非線形効果に設計することができる。したがって、HPWGは、将来のオンチップフォトニック信号処理や非線形光デバイス、量子情報処理の要となり得る。

(詳細は、https://www.sydney.edu.au)