June, 24, 2020, 札幌--北海道大学電子科学研究所の太田裕道教授,ジョ・ヘジュン助教らの研究チームは,深紫外線を透過する透明な薄膜トランジスタの作製に成功した。
バイオセンサとして,現在は半導体シリコンを活性層とするトランジスタが利用されているが,シリコンのバンドギャップが小さい(1.1eV)ため,トランジスタ動作中に殺菌灯などの深紫外線を照射すると,動作が不安定になるという問題がある。研究チームは,バンドギャップが4.6eVと大きい酸化物半導体スズ酸ストロンチウムを活性層とする薄膜トランジスタの開発に取り組んだ。材料の組み合わせなどの最適化を経て得られたトランジスタは,明確なトランジスタ特性を示すだけでなく,電極を含まない状態で波長260nmの深紫外線を50%以上透過する。
この研究の深紫外線透明トランジスタは,殺菌灯の深紫外線を照射した状態でも動作する,全く新しいバイオセンサの原型になると期待される。
研究成果は, Advanced Electronic Materials誌にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)