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チップベースデバイスで量子セキュア通信実用性改善

May, 25, 2020, Washington--ブリストル大学(University of Bristol)の研究チームは、実世界のセキュリティを強化しながら、量子カギ配信に必要な全ての光コンポーネントを含む新しいチップベースデバイスを実証した。高速、コスト効果の優れたプラットフォームが、Eメールからオンライン金融情報まであらゆるものを保護するために使える非常に安全なデータ通信の実行を容易にする。

コンピューティング技術の進歩により、いずれ今日のオンラインデータ暗号化法は、盗聴に対して脆弱になる。量子カギ配信は、光の量子特性を使い破れない暗号を提供する。つまり、オンラインデータの暗号化と解読のためにユーザ間に安全なランダムキーを生成する。量子カギ配信は、ほとんどのファイバオプティクネットワークに適合しているが、この暗号加法をラボの外で実行するには、よりロバストで安価なデバイスが必要とされている。

Opticaでは、研究者チームは、2つのチップベースのデバイス間で安全な量子カギ交換が達成できると報告している。チップは、わずか6×2㎜、200km長のファイバネットワークリンクで使える可能性がある。

「チップベースのデバイスは、ロバストで量産可能なプラットフォームを提供することで、安全な量子通信普及の障壁を著しく低下させる。将来、こうしたデバイスが、標準的な家庭のインターネット接続の一部を形成し、コンピューティング技術の進歩とは関係なく、データの安全性が維持される」とUK、ブリストル大学、研究チームリーダー、Henry Semenenkoは説明している。

サイズとパワーを低減
新しい量子カギ配信デバイスは、スマートフォンやコンピュータにある同じ半導体技術に基づいている。電気配線の代わりに、量子カギ配信に必要な弱い光信号を制御する極めて複雑な回路となっている。チップのナノスケールコンポーネントにより、量子通信システムのサイズと電力消費が飛躍的に低減可能になり、併せて、最新ネットワークにとって重要な高速性能も維持されている。

「高密度に詰め込んだ光コンポーネントで、われわれのチップベースプラットフォームは、他のものでは達成不可能なレベルの高精度制御と複雑さを提供する。それによりユーザは、われわれが今日インターネットアクセスに使っているルータと同サイズのコスト効果の高い機器で安全なネットワークにアクセスできる」(Semenenko)。

研究チームは、市全域ネットワークを容易にし、ユーザ間に必要な接続数を飛躍的に減らす新しいプラットフォームを設計した。

「われわれのプラットフォームにより個々のユーザが、全ての他のユーザと安全な通信ができる集中ノードにアクセスできるようになる。量子ネットワークが発展するにつれて集中ノードは、最終的にもっと複雑な通信プロトコルをサポートする重要なインフラストラクチャになる」(Semenenko)。

デバイスのデモ
研究チームは、新しいチップベースデバイスを原理証明実験で実証した。これには、ブリストル大学量子工学技術ラボで200kmファイバネットワークをエミュレートした。2つの独立したチップデバイスを使い、チームはエラーレートとスピードが最新の商用コンポーネントに匹敵することを示した。

「われわれは、これらチップベースデバイスを使って、異なるデバイスによって生成されたフォトンでも量子効果を生み出すことを示した。これは、各ユーザが、市中に配置された固有のデバイスを制御する量子ネットワークにとって極めて重要である」。

研究チームは、アプリケーションに特化したハードウエアを開発することで、システムをより実用的にすることを計画している。次に、ブリストル市の光ファイバネットワークを利用して、多くのユーザでメトロポリタンネットワークの実証を行う。