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Lab-on-a-chip COVID-19抗体検査、素早く正確な結果を出す

May, 8, 2020, Ann Arbor--ポータブル、迅速、安価、高精度、これらは通常互いに相容れない4つの特徴であるが、このような特徴を兼ね備えたCOVID-19抗体検査が、ミシガン大学とU-Mスタートアップ、Optofluidic Bioassayが開発したマイク流体デバイスでできるようになる。

マイクロ流体デバイス“lab on a chip”は、研究室の多機能を1個のチップに搭載したわずかミリメートルサイズまたはセンチメートルサイズのチップである。その技術により、より小さなサンプル量で迅速な結果が得られる。

新システムは、酵素免疫測定法(ELISA)として知られるゴールドスタンダード試験への初のマイクロ流体アプローチと考えられている。 U-M研究チームは、そのチップが、遅くて、大きな標準ELISAセットアップと同じように機能することを示す結果をこれまでに発表している。チームは現在、それをCOVID-19抗体で利用できるように評価している最中である。

チームは、それらが合成COVID-19抗体を検出できることを実証しており、ニュージャージーの病院で、COVID-19患者からの血液で実験を実施している。

U-Mバイオメディカルエンジニアリング教授、Optofluidic Bioassayの共同創始者、Xudong (Sherman) Fanは、「当社はハードウエア会社であるので、ユニークである。COVID-19抗体テストに取り組んでいるものは誰でもわれわれのデバイスでその試薬を使うことができる」と話している。

抗体検査が必要な理由
政府、医療従事者、研究者、市民が引き続きパンデミックの中にいるので、迅速かつ正確な抗体テストが重要な役割を果たす、と研究者は説明しいる。抗体検査は、すでにウイルスに晒され、少なくとも一時的に免疫ができており、安全に仕事に戻れる人を明らかにする。広範に実施されれば、パンデミックの本当の規模と死亡率を示すことができる。

U-M研究チームによると、その特別なアプローチにより、医者は、患者が処置に対して、あるいは開発されたワクチンに対してどのように反応しているかを決定的、ほぼリアルタイムに洞察できるようになる。

小規模抗体テストは、国によって実施されているところがある。研究プロジェクトは、米国では進行中であり、キットは市場に出始めているが、まだ広く入手できるようになっていない。

抗体、つまり「血清」テストは、COVID-19診断に利用されている“PCR”テストとは違う。ウイルス自体をスクリーンするのではなく、血清テストは抗体を見つける。免疫系が闘うために生み出すタンパク質である。

COVID-19抗体テスト展望におけるマイクロ流体ELISA
血清キットに取り組んでいる大半の研究室は、yes or no読み取りをする特殊タイプの「迅速診断テスト」を作っている。これらは迅速ではあるが、欠点がある。疑陽性が問題になる。多くの情報を提供しないので、処置中の免疫系の反応のモニタリングには役に立たない。

数少ない研究室がELISAテストを行っている。これらは一般に定量的で正確であり、抗体濃度をを示す。その点で、それらは迅速診断テストよりも信頼度が高く、疑陽性になりにくい。しかし標準ELISAの結果は数時間かかり、装置は冷蔵庫サイズである。加えて、サンプルは分析のために試験場に送る必要がある。

しかしマイクロ流体ELISAは、指をさして採取した血液で、わずか15分で定量的で正確な結果を示せる。この特徴の組み合わせは、その可搬性を加えると、それは強力なツールになる。

「われわれのアプローチは、両方の世界のベストを提供する。標準ELISA定量計測の正確さがある迅速診断テストの素早さと簡便さを達成できる」とFanは話している。

「われわれのデバイスは、そのように感度が高い定量計測ができるので、その利用によって回復した患者を特定する以上のことができる。抗体は、感染後数日で現れ始めるので、このアプローチを使って感染、処置、ワクチンに対する患者の免疫反応をモニタすることができる」

マイクロ流体ELISAは迅速、ポータブル、ローコストである。

「テストの推定コストは、2 – 3の異なる抗体のテストあたり数ドルである。これは、病院、医療機関、診療所、薬局で利用するには極めて実用的な選択肢である」とXiaotian Tanはコメントしている。同氏は、FanとともにCOVID-19抗体ススとに取り組んでいるバイオメディカルエンジニアリング博士課程学生。

装置は、電子レンジサイズで、指先からの微量の血液サンプルを同時多重テストを20分以下で実行できる。

それは数年前、U-Mで発明され、Optofluidic Bioassayで開発された。
(詳細は、https://news.umich.edu)