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Ames Labの強力な顕微鏡で、反強誘電体理解の見直し

April, 22, 2020, Amesk--米国エネルギー省(DOE) Ames Laboratory,高感度装置ファシリティSensitive Instrument Facility (SIF)で原子毎に材料を見る能力は通常、量子力学的振る舞いの新たな法則を発見しようとする研究者にとって役立つ。今回、同研究所の強力な顕微鏡が、反強誘電体と言われる材料における長年の構造モデルを修正した。

Ames Labとアイオワ州立大学(Iowa State University) の研究者は、広く研究されている反強誘電体グループ、PbZrO3、(鉛とジルコニアベースペロブスカイト}を詳しく調べた。その開発は、エレクトロニクス、風力および太陽エネルギーストレージにとって重要であり、その性能と効率の改善が強く求められている。

研究チームは、高角散乱環状暗視野走査透過顕微鏡法(HAADF-STEM)と言う技術を利用して、その材料の結晶構造を解読した。「この技術は、原子列の位置と元素組成の両方に対して非常に高感度である」とSIFの材料科学者、顕微鏡エクスパート、Zhouはコメントしている。

反強誘電体は、隣接電気双極子が交互に反転し相互に反対向きに整列する材料である。その形式で、その材料の原子配列は、いわゆる整合変調になる。しかしPbZrO3は、アプリケーションでそれがより役立つように、スズやチタンなどの他の元素をドープされることがよくある。これらの添加物がその原子配列を反整合変調タイプに変えるが、従来の理論は、2タイプの極性全体は同じままであるとしていた。

「構造におけるPbの相対位置の変化を解明することで、これらの反整合変調構造が、隣接ストライプでその極性をキャンセルしないが、各ドメインにおける有効分極を構築していることを確認した。われわれのイメージングと計測を通して、その結晶に加えるチタンが多ければ多いほど、有効分極が高くなることが分かった。これは全くの驚きだった」とZhouは話している。

さらなる理論的作業は、旧いモデルの修正を支持し、その材料の特性と振る舞いに対する理解向上は、研究者が、アプリケーションに、より優れた材料を開発する際に役立つ。

(詳細は、https://www.ameslab.gov/)