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UCLAの研究チーム、「2D材料」の最も正確な3D画像を生成

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April, 17, 2020, Los Angels--UCLAの研究者は、いわゆる2D材料で前例のない原子の詳細な実験3次元マップを作成した。物質は、完全に二次元ではないが、数原子厚程度、極めて薄い層で配列されているので、ほぼフラットである。

2D材料ベースの技術は、商用アプリケーションで、まだ広く利用されているわけではないが、その材料は重要な研究関心の主題となっている。将来、それらは、遥かに小さなエレクトロニクス、量子コンピュータコンポーネント、より効率的なバッテリ、あるいは塩水から静水を取り出せるフィルタの基盤となりうる。

2D材料の有望性は、同じ元素、あるいは複合体が、もっと大量に現れる時の反応の仕方とは違うある特性から来るものである。そのような固有の特性は、量子効果の影響を受けており、極めて小さなスケールで起こる現象である。これは、基本的に大規模で見られる古典物理学とは異なる。例えば、炭素は原子的に薄い層に配列されると、2Dグラフェンとなり、それはスチールよりも強く、他の既知の材料よりも優れた熱伝導性がかり、電気抵抗はほぼゼロである。

しかし2D材料を現実世界のアプリケーションで利用するには、その特性、その特性を制御する力を一層よく理解する必要がある。研究成果は、Nature Materialsに発表された。

研究チームは、その材料の原子構造の3Dマップがピコメートルスケールで正確であることを示した。また、その計測を利用して、電子特性に影響を与える2D材料の欠陥を定量化し、その電子特性を正確に評価した。

「この研究でユニークな点は、3次元で個々の原子の座標をわれわれが決定できることである。どんな既存モデルも使う必要はない。またわれわれの方法は、あらゆる種類の2D材料に使える」とUCLA物理学・天文学教授、Jianwei “John” Miaoは説明している。

研究チームは、2D材料研究によく用いられる、二硫化モリブデンのの単層を調べた。バルクでは、この化合物は、潤滑剤として利用されている。2D材料としては、それは、次世代半導体エレクトロニクスでの利用を示唆する電子特性を持つ。調べられているサンプルは、微量のレニウムがドープされている。これは、モリブデンを置き換えた時に、スペアの電子を加える金属。この種のドーピングは、コンピュータやエレクトロニクス向けのコンポーネント作製によく使われる。半導体デバイスで電子の流れ促進に役立つからである。

2D材料分析のために研究者は、走査型透過電子顕微鏡をベースにして開発した新技術を利用した。これは、薄いサンプルを通して当てられた散乱電子を計測することで画像を形成する。Miaoのチームは、走査型原子電子トモグラフィという技術を考案した。これは、回転するサンプルをマルチアングルで捉えることで3D画像を生成する。

研究チームは、画像生成に1つの大きな課題を回避しなければならなかった。2D材料は、電子露光が過ぎると損傷を受ける。したがって各サンプル毎に研究者は、セクション毎の画像を再構築し、次にそれらをスティッチングして1つの3D画像を形成した。つまりスキャンを少なくし、サンプル全体を一度に撮った場合と比べて電子量を少なくすることができた。

2つのサンプルは、各6×6 nm、より小さなセクションの各々は約1×1 nmだった。

結果としての画像により研究者は、モリブデン原子の場合、サンプルの3D構造を4 pmの精度で調べることができた。モリブデン原子は、水素原子の径よりも26倍小さい。その精密度により研究者は、リップル、材料の形状を歪める歪、化学結合のサイズのバリエーション、レニウムを加えて起こる全ての変化を計測することができた。2D材料におけるそれらの特性の計測ではこれまでて最も精確であった。

「ドーパントの導入を単なる置き替えであると単純に仮定するなら、大きな歪を想定しないだろう。しかしわれわれが観察したものは、以前の実験で示したよりも複雑である」とUCLAポスドク研究者、Xuezeng Tianはコメントしている。

研究チームは、2D材料の最小サイズ、3原子高さにおいて最大の変化を確認した。そのような局所歪を導入するには1個のレニウム原子が必要だった。

材料の3D座標についての知識をもち、Prineha Narang教授をリーダーとするチームは、その材料の電子特性の量子力学計算を行った。

「これらの原子スケール実験によってわれわれは、2D材料がどのように振る舞い、計算でどのように扱うべきかが初めて分かった。新しい量子技術の変革である」とNarangは話している。

研究で生み出したような計測を利用しない場合、そのような量子力学的計算は従来、絶対零度を見込む理論モデルシステムに基づいていた。

この研究が示したことは、計測された3D座標は2D材料の電子特性の、より正確な計算につながるということであった。

「われわれの研究は、直接入力として実験的3D原子座標を用いることで量子力学的な計算を変革できる。このアプローチにより材料エンジニアは、2D材料の新しい物理的、化学的、電子特性を単原子レベルで予測し、発見できる」とUCLAポスドク研究者、Dennis Kimは話している。

(詳細は、https://newsroom.ucla.edu/)