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従来の1,000倍高速の放射光計測が、錆の形成過程を解き明かす

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March, 11, 2020, 仙台--東北大学 大学院理学研究科 若林裕助教授(東京工業大学 元素戦略研究センター 特定教授)の研究グループは、これまで明らかにされていなかった鉄の不動態被膜形成初期過程を、高速X線反射率測定によって解明した。
 X線反射率法は表面分析に広く用いられる手法であるが、数分から数十分の時間がかかる。これを、情報科学も活用することで20ミリ秒まで高速化し、被膜形成過程の実時間観測を実現した。観測された酸化の初期過程は、最初に欠陥の多い厚い膜を形成し、次に膜内部の原子配列を整える順番で起こっていた。膜成長の速度を決める因子が最初の1秒と後の時間で異なることも判明した。この知見は固液界面での典型的な化学反応の理解を、従来とは異なる角度で深めるものである。今後、物理的な理解が難しい固液界面の化学反応に関する研究に新しい情報が加わる事が期待される。
研究の要点
・化学反応の時間発展を実時間計測。

・鉄の不動態化の初期過程を、最新の放射光技術と解析技術で観測。

・赤錆を食い止める黒錆が形成される過程を解明。黒錆の膜が形成される初期は欠陥が多いが、後からその欠陥が埋められる。

(詳細は、https://www.titech.ac.jp)

論文
掲載誌 :
Physical Review Materials
論文タイトル :
Early stages of iron anodic oxidation: defective growth and density increase of oxide layer