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体内摂取可能な医療デバイスを光で分解

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March, 10, 2020, Cambridge--新しい感光性材料は、胃腸用デバイスの除去に必要な内視鏡手順の一部を除去することができる。

様々な医療用デバイスを胃腸管に挿入して、胃腸疾患を処置、診断、モニタすることができる。これらの多くは、その仕事が終わると、内視鏡手術によって除去されなければならない。しかしMITのエンジニアは、そのようなデバイスが、摂取可能なLEDからの光を受けると、体内で破壊される方法を考案した。

その新しいアプローチは、研究チームが設計した感光性ヒドロゲルに基づいている。この物質を医療デバイスに組み込むと、多くの内視鏡的処置を回避し、それらがもはや不要になったり、正常に機能しない場合に医者は迅速かつ容易にデバイスを除去することができる、と研究者は説明している。

「われわれは、胃腸管に、またその一部として存在可能な一連のシステムを開発している。大手術の必要なく、GI管内のデバイスの分解を始動できる様々な方法の開発を考えている」と機械工学、Giovanni Traversoは話している。

豚を使った研究では、チームは、この感光性ヒドロゲルでできたデバイスが、小さなLEDの青色またはUV光に触れて破壊が始動することを示した。
 研究成果は、Science Advancesに発表された。

制御された破壊
数年かけて、TraversoとRobert Langerは、GI管に長期間とどまるように設計された多くの摂取可能デバイスを開発した。また、そのようなデバイスの破壊を制御する様々な戦略にも取り組んできた。pHあるいは温度の変化、あるいは、ある化学物質に基づいた方法が含まれる。

Traversoは、「われわれは胃腸管に長期間存在できるシステムの開発に関心があるので、拒絶反応があったり、もはや必要でなくなった時に、これらのシステムの除去を簡単にする幅広いアプローチを継続して探求している。「われわれは実際、様々なトリガーに注目しており、その振る舞い方、それらを異なる設定で適用できるかどうかを見ている」。

この研究では、研究チームは、光ベースのトリガーを調査した。チームによると、これは以前のアプローチに対していくつかの利点があると考えられる。一つの潜在的な利点は、光が少し離れて機能でき、壊される物質と直接接触する必要がないことである。また、光は通常GI管に浸透しないので、予想外のトリガがない。

新しい材料を造るために、Ramanは、以前のLanger研究所ポスドク、現在はコロラド大学ボルダの化学・生物工学教授、Kristi Ansethの研究所の材料をベースにして感光性ヒドロゲルを設計した。このポリマゲルは、405~365nm(ブルーからUV)の間の光波長露光で壊れる化学結合を含んでいる。

Ramanは、その感光性ポリマだけで構成される材料を作る代わりに、ポリアクリルアミドなどの成分とのより強い結合にそれを使いたかった。これにより、その材料全体が耐久性が増すが、それでも適切な波長の光に触れると分解する、あるいは弱くなる。同氏は、その材料を「ダブルネットワーク」として構築した、つまり一つのポリマネットワークがもう一つを取り囲んでいる。

その材料の特性は、ゲルの組成を変えることで調整可能である。感光性リンカーがその材料で高い比率を構成すると、それは光に反応して早く壊れるが、機械的強度が弱くなる。研究チームは、様々な光波長を利用して、その材料が壊れるまでの時間を制御することもできる。青色光は、ゆっくりと反応するが、UVから損傷を受けやすい細胞への危険は少ない。

光で収縮
ゲルとその崩壊産物は、生体適合的であり、ゲルは様々な形に容易に成形できる。この研究では、チームはそれを使って2つの可能なアプリケーションを実証した。肥満バルーンとと食道ステント。肥満治療に役立てるために使われることがある標準的な肥満バルーンは、患者の胃で膨らませ、生理食塩水を満たす。6カ月後、バルーンは、内視鏡手術で除去される。

それに対して、MITチームが設計した肥満バルーンは、封印を微小なLED光に触れさせることで収縮できる。それは、原理的には、飲み込み、身体から排出される。そのバルーンは、ラテックスでできており、水を吸収するポリアクリル酸ナトリウムで満たされている。この研究では、チームは豚でそのバルーンをテストし、胃に設置されるとすぐにバルーンが膨らむことを確認した。微小な、接種可能な青色光を放出するLEDを6時間胃に設置すると、バルーンはゆっくりとしぼんでいった。よりハイパワーの光では、その材料は30分以内に壊れる。

研究チームは、感光性ゲルを食道ステントにも成形した。そのようなステントは、食道がん、あるいは食道狭窄の原因となる他の疾患の処置に役立つ。光で始動するバージョンは、もはや必要でなくなると、破壊または消化管から排出可能である。

その2つのアプリケーションだけでなく、このアプローチを使って他の分解可能なデバイスも造れる。研究者によると、消化管への薬剤輸送媒体などである。

「この研究は、われわれがこの種の材料を造れるという概念実証である。われわれは、それのベストのアプリケーションが何かについて考えているところである」とTraversoは話している。

(詳細は、http://news.mit.edu)