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NIU、安全な鉛ベースペロブスカイト太陽電池を開発

Northern Illinois University professor Tao Xu and student Xun Li

March, 4, 2020, DeKalb--ノーザンイリノイ大学とUSエネルギー省国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の研究者は、Natureにハイブリッドペロブスカイト太陽電池のブレイクスルー可能性を発表した。

ペロブスカイトは、従来のシリコンベース太陽電池と比べると潜在的に安価で、製造が容易である。少なくとも、ラボ設定の小規模では、比肩しうる効率レベルを実証している。しかし、それらが競争力のある商用技術になるには、重要な課題が残っている。

1つの大きな課題は鉛の使用である。ほとんどの高性能ハイブリッドペロブスカイト太陽電池は、水分解性の鉛を含んでおり、壊れた電池からの潜在的な漏れに懸念が生じている。

研究チームは、ペロブスカイト太陽電池に使用される鉛を隔離する技術を開発した。これは、太陽電池の前と後に鉛吸収膜を適用することで潜在的な毒の漏れを最小化する技術である。

NIU化学教授、Tao Xuは「鉛の毒性問題は、最も悩ましい、ペロブスカイト太陽電池領域で最後の課題の一つである。われわれは、この問題に非常に有望な改善措置を考案した。それは流れを変えることになると考えている」と話している。

「壊れた電池の場合、われわれのデバイスは、鉛の大半を吸収し、鉛が地下水や土壌に浸出しないようにする。われわれが利用する膜は、水に溶けない」。

研究者によると、ラボ設定で、厳しい太陽電池損傷条件で、鉛吸収膜は、鉛の漏れを96%隔離した。実験は、鉛吸収層が電池のパフォーマンスに、あるいは長期動作安定性にマイナスの影響を及ぼさないことを示唆している。

これら太陽電池内のペロブスカイト構造複合物は、最も一般的な、ハイブリッド有機-向き鉛ハロゲンベース材料である。

従来のシリコン太陽電池は、高温を使う精密工程で製造されるが、ペロブスカイトは室温化学溶液を使って作られる。

新開発の「オンデバイス・隔離アプローチ」は、現在のペロブスカイト太陽電池構成に直ちに組込可能である。

透明な鉛吸収膜を太陽電池前面の導電ガラスに適用する。隔離膜は、強い鉛結合ホスホン酸基を含んでいるが、太陽電池の光吸収を妨げない。後の金属電極には、鉛キレート剤を混ぜた安価なポリマフィルムが使われている。透明性が必要とされないからである。

「材料は市販品であるが、この目的では使われていなかった。光は太陽電池に入り、ペロブスカイト層で吸収されなければならない。前面フィルムは実際に、反射防止の役割を果たし、わずかに透明性を改善する」とXuは説明している。

鉛漏れのテストは、水に沈める前に、2.5-x-2.5 cm電池の前面ガラスをハンマーで叩き、、太陽電池の後ろ側をカミソリの刃で引っ掻くことが含まれていた。膜は、水の浸入による、酷く損傷した電池の鉛の大部分を吸収することができる。

「注目に値することは、実証された鉛隔離アプローチは、他のペロブスカイトベース技術、固体照明、ディスプレイやセンサアプリケーションにも適用できることである」とNRELシニアサイエンティスト、Zhuはコメントしている。

研究チームは、鉛吸収膜の特許を申請した。
(詳細は、https://newsroom.niu.edu)