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サセックス大、レーザ、コンピュータ、THz波を組み合わせたカメラ

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March, 5, 2020, Sussex--サセックス大学(University of Sussex)の物理学者チームは、テラヘルツ(THz)放射を使って固体物内部の高分解能画像を撮ることができる初の非線形カメラを開発した。

研究チームは、前例のない精度でTHz電磁波を検出できる新しいタイプのTHzカメラを作製した。

THz放射を使って生成される画像は、「ハイパースペクトル」と呼ばれる。各ピクセルが、そのポイントに物体の電磁シグネチャを含んだピクセルで構成されているからである。

電磁スペクトルのマイクロ波と赤外の間にあるTHz放射は、X線と同じように紙、衣服、プラスチックなどの物質を容易に透過するが、損傷を与えることはない。最も繊細な生体サンプルにさえ使用しても安全である。THzイメージングにより、物体の分子組成を「見る」ことができ、例えば砂糖やコカインなどの異なる物質を区別することもできる。

研究成果の意味を説明しながら、Emergent Photonics (EPic) LabのMarco Peccianti教授は、「THzカメラの中心的難題は画像を集めることではなく、その技術によって簡単に壊れてしまう物体のスペクトルフィンガープリントの保存である。ここが、われわれの成果の重要性が存在するところである。画像の細部の全フィンガープリントが保存され、物体の性質を詳細に研究することできる」と説明している。

これまで、ハイパースペクトル画像を撮りTHz放射で明らかになった細部全体を保存することができるカメラは、実現可能とは考えられていなかった。

EPic Labチームは、THz光のパタンでサンプル物体を撮像するためにシングルピクセルカメラを使った。構築したプロトタイプは、その物体がTHz光の異なるパタンをどのように変えるかを検出できる。この情報を個々のオリジナルパタンと組み合わせることでカメラは、物体の画像とその化学的成分を明らかにする。

THz放射光源は非常に弱く、ハイパースペクトルイメージングは、これまで、忠実度に限界があった。これを克服するために、研究チームは、標準レーザを、可視光をTHzに変換できる独自の非線形材料に照射した。プロトタイプカメラは、サンプルに非常に近い位置にTHz電磁波を生成する。これは顕微鏡の動作法と同じである。THz波は、物体に影響を与えることなくそれを透過できるので、結果としての画像は、物体の形状と成分を3Dで明らかにする。

Dr Totero Gongoraは、「これは大きな前進である。われわれの以前の理論研究で探求された全ての可能性が実行可能であるだけでなく、われわれのカメラが、予想以上に良好に機能したからである。デバイスを構築する過程で、イメージングプロセスを最適化するいくつかの方法を発見した。今では、その技術は安定して、良好に機能している。われわれの次のフェーズは、画像再構成プロセスの高速化であり、THzカメラを実世界のアプリケーションへの適用に近づけることである。空港のセキュリティ、インテリジェントカーセンサ、製造での品質制御、皮膚ガンのような健康問題を検出するためのスキャナなど」とコメントしている。
(詳細は、http://www.sussex.ac.uk)