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シリコンでフォトンを分ける方法を発見

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February, 10, 2020, Austin--テキサス大学オースチンUniversity of Texas at Austin、UC Riversideの研究チームは、シリコンと有機、炭素ベース分子の間のエネルギー移転、以前から仮定されていた現象を作り出す方法を見いだした。これは、量子コンピューティング、太陽エネルギー変換、医療イメージングにおける情報蓄積にとって意味があるブレイクスルーである。研究成果は、Nature Chemistryに発表された。

シリコンは、地球上で最も豊富な物質の一つであり、われわれのコンピュータを駆動する半導体から、ほぼ全ての太陽エネルギーパネルに使用されているセルまで、あらゆるもので重要なコンポーネントである。しかし、その能力のすべてで、シリコンは、光を電気に変換するとなると、問題がある。光の様々な色は、フォトン、つまり光エネルギーを運ぶ粒子で構成されている。シリコンは、効率よく赤いフォトンを電気に変換するが、赤いフォトンの二倍のエネルギーを運ぶ青色フォトンでは、シリコンはそのエネルギーのほとんどを熱として失う。

新しい発見により研究者は、カーボンベースの材料とシリコンをペアにすることでシリコンの効率を高める方法を利用できる。これにより、青色フォトンを赤色フォトンのペアに変換し、シリコンによって、より効率的に利用できるようになる。このハイブリッド材料は、逆に動作するように微調整も可能であり、赤い光を取り入れてそれを青い光に変換する。これは、医療処置や量子コンピューティングを示唆するものである。

「われわれがシリコンと組み合わせた有機分子は、アントラセンという炭素灰の一種である。基本的には、すすだ」とUTオースチン、化学准教授、Sean Robertsは説明している。論文は、シリコンをアントラセンに化学的につなげる方法を説明している。これにより、シリコンと灰のような物質間のエネルギー移転ができる分子パワーラインができる。「われわれは、この材料を微調整して様々な波長の光に反応するようにできる。量子コンピューティングで、1つの青色フォトンを2つの赤色フォトンに、または2つの赤いフォトンを1つの青色フォトンに変えるために微調整し最適化できる。情報ストレージには完璧である」。

40年間、研究者はシリコンと、青や緑の光を効率的に吸収するある種の有機材料を組み合わせると、光を電気に変換するシリコンの能力を改善する決め手になるとの仮説を立てていた。しかし、2つの物質を単に層化するだけでは、期待通りの「スピン3重励起子移動」は起こらなかった。これは炭素ベースの材料からシリコンへの特殊タイプのエネルギー移転で、この目標達成に必要とされていた。RobertsとUC Riversideの研究者は、シリコンナノクリスタルとアントラセンを接続する微小な化学ワイヤで難局を切り抜ける方法を説明しており、初めて両者間で予測されていたエネルギー移転を達成した。

「難題は、励起電子ペアをこれらの有機材料から取り出してシリコンに入れることだった。それは、単に相互に重ねるだけではできない。シリコンとこの材料間に新しいタイプの化学的インタフェースを構築し、両者が電子的に通信できるようにする」とRobertsは説明している。

Robertsと院生、Emily Raulersonは、シリコンナノクリスタルに取り付けた特殊設計分子でその効果を計測した。超高速レーザを使い、研究チームは、2つの材料間の新しい分子ワイヤが高速、回復力があり、効率的であるだけでなく、ナノクリスタルからその分子への約90%のエネルギーを効果的に移転できることを確認した。

「われわれは、この化学を使って、光のどんな色でも吸収、放出する材料を作ることができる」とRaulersonは言う。同氏によると、さらなる微調整により、分子に結び付けた同様のシリコンナノ結晶が、バッテリーなしの暗視ゴーグルから新しい微小エレクトロニクスまで、様々なアプリケーションを生み出すことができる。

この種の他の高効率プロセス、フォトンアップコンバージョンは、以前には、毒性材料に依存していた。新しいアプローチは、排他的に非毒性材料を使うので、それは人の医療、バイオイメージング、環境にやさしい技術などのアプリケーションに扉を開く。

UC Riversideで、Ming Lee Tangが有機分子をシリコンナノ粒子に付ける方法を開発し、機械工学准教授Lorenzo Mangoliniのグループがシリコンナノクリスタルを設計した。