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LED電球の下では白色の区別が出ないこともある

May, 20, 2014, University Park--照明の専門家によると、照明が白熱電球や蛍光灯からLEDに替わると、白の違いが全て同じに見える可能性がある。
 最近の家庭用、商用照明ではLED電球が使われるようになっている。LEDは現状では高価であるが、コンパクトな蛍光灯と比べると一段と低消費電力になっている。
 光源が違えば、光の波長の組み合わせも違う。幅広い多様な波長が人の目に白く見える光を作るが、波長の組み合わせの違いは色の表現に影響をあたえる。白色を見る場合、製品メーカーが増白剤を使って白い製品を白く見えるようにするので、光源は重要である。
 増白剤は、紫や紫外(UV)光の下で蛍光を発する蛍光材料を含んでいる。太陽光、蛍光灯、白熱電球はすべて、ある程度の紫やUV域の光を出す。コンシューマ製品で使われる増白剤はこのような条件下で効果を発揮するようになっており、結果的に明るい白色を感じることになる。
 しかし、ほとんどの現状のLED電球は燐光体を励起して白く輝くようにするブルーLEDを使用しており、ここからは紫もUV光も出てこない。
 ペンシルバニア州立大学建築工学教授、Kevin W. Houser氏は、学生やSoraaの研究者と共同で、白色光と白色の製品との様々な組み合わせを観察する実験を行った。
 39人の参加者に対して、選択、強制選択、分類の3つのテストを実施した。使用した光源は異なる5種類、ブルー励起LED、フィルタ処理したハロゲンランプ、3つのバイオレット励起LEDでバイオレット放出レベルが違うもの。
 いずれのテストでもブルー励起LEDの光源では、よい結果が得られなかった。
 研究者は、「正確な白の表現にはLED光源のスペクトラムの設計が必要である」とコメントしている。
(詳細は、www.psu.edu)