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Science/Research 詳細

メタホログラム光学デバイスをコミュニケーションツールに使用

February, 4, 2020, Pohang--ホログラム技術は、すでにわれわれの日常生活で利用されている。通貨偽造を防ぐためのホログラムシール、方向をガイドするための自動車のフロントミラーに投影されるARナビゲーション、生活感覚でユーザが仮想世界でプレイできるVRゲームは、その実例である。先頃、前後方向に動作する薄型、軽量メタホログラムが開発された。

POSTECH機械工学・化学工学学部教授、Junsuk Rhoと学生Inki Kimは、単層メタホログラフィック光学デバイスから多機能メタホログラムを開発した。これは、入射光の方向に依存して多様なホログラム画像を形成できるデバイス。研究成果は、Nanoscale Horizonsに発表された。

テレビやビームプロジェクタは、光強度のみを伝送するが、ホログラフィック技術は光強度と位相情報を維持して、3D空間に映像を映し出すことができる。この時、メタマテリアルが利用されると、ユーザは、ナノ構造、サイズ、形状を望み通りに変えられ、光強度と位相を同時に制御できる。メタホログラムは、ピクセルサイズが300~400 nmであるが、非常に高解像度のホログラフィック画像を表示できる。空間光変調器など既存のホログラムプロジェクトと比べて広い視野で表示する。

とは言え、従来のメタホログラムは、入射光が一方向の時に画像を表示できるが、光が他の方向ではできない。

そのような問題を解決するために研究チームは、2つの異なるタイプのメタサーフェスを使った。一つのメターフィスは、入射光が前方向の時に位相情報を持つように、もう1つは光が後方向の時に動作するように設計されている。結果的に、光の方向に依存してこれらが異なる画像を表示できることを研究チームは確認した。

加えて、チームは、シリコンナノピラーに生じる現象、デュアル磁気共鳴と反強磁性磁気共鳴をナノ構造設計に適用した、従来のメタホログラムの低効率を克服するためである。この新開発のメタホログラムは、60%を超える(シミュレーションでは70%)高い回折効率を実証し、高品質で鮮明な画像が観察された。

さらに、新しいメタホログラムは、シリコンを使う。従来の半導体製造プロセスに従い簡単に製造できる。

前方向と後方向、両方向で動作するメタホログラムは、新しいホログラムプラットフォームとなる。これは、様々な情報を多数のユーザに多様な場所から伝送でき、一つの画像を特定の場所にしか伝送できなかった従来技術の限界を克服する。

メタマテリアル主任研究者、Junsuk Rhoは、「メタサーフェスベースのマイクロスコピック、超薄型、超軽量フラット光デバイスは、素晴らしい技術である。従来の光デバイスの機能を果たすたけでなく、そのメタサーフェスの設計の仕方により、多機能を示す可能性がある。特に、われわれは、前と後方向に動作するメタホログラム光デバイスを開発した。それは、様々な視覚情報、様々な場所から多数のユーザに同時に伝送できる。この新しい開発が、パフォーマンス、エンタテーメント、展示、自動車向けなど、多数のホログラムアプリケーションで使えると期待している」と話している。
(詳細は、http://www.postech.ac.kr)