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敗血症診断促進にポータブルデバイスが役立つ

February, 3, 2020, Lausanne--スイス連邦工科大学(EPFL)の研究チームは、高感度ポータブル光バイオセンサを開発した。これは、敗血症のような致死的状態の診断を促進する。それは、救急車や病院がトリアージプロセス改善、救命に利用することができる。

敗血症は、4秒に1人の生命を奪っている。病院での主要な主因であり、世界的には主要な死因10のうちの1件である。敗血症は、細菌感染への炎症反応であり、極めて迅速に進行する。適切に診断され処置される前に、時間毎に死亡率は約8%増える。敗血症では時間が極めて重要であるが、現在、病院で使用しているテストは、診断が出るまでに最大72時間かかる。

多くの研究者がこの重要な問題に取り組んでいる。これには、EPFLののスピンオフ、Abionicの研究者も含まれる。EPFL工学部Laboratory of Bionanophotonic Systems (BIOS):バイオナノフォトニックシステム研究所で、先ごろ、研究者が新技術を公開した。研究チームは、敗血症診断時間を数日からわずか数分に短縮する光バイオセンサを開発した。その新しいアプローチは、ナノテクノロジーの最近の発展とナノスケール照明効果を利用しており、これにより携帯性が優れた、使いやすいデバイスになっている。これを利用して、患者の血流に敗血症バイオマーカーを迅速に検出できる。また、そのデバイスから結果が出るまでに数分しかかからず、妊娠テストのようなものである。

バイオセンサは、独自のプラズモニック技術を使うので、小さく安価なコンポーネントから造られるが、実験室の方法の基準に匹敵する精度を達成できる。デバイスは、バイオマーカーの大きな一団を選別し、多くの病気の迅速診断に適用可能である。それは、スペインの病院Vall d’Hebron University Hospitalに導入され、同病院の敗血症バンクから患者のサンプルを調べるブラインドテストで利用された。研究チームの技術は、特許申請中であり、研究成果は、先頃、Smallに発表された。

ナノホールでバイオマーカータッピング
そのデバイスは、光メタサーフェスを利用している。この場合、数十億のナノホールアレイを含む薄い金シートである。メタサーフェスは、並外れて正確なバイオマーカー検出ができるように、光をナノホール周囲に集中する。このタイプのメタサーフェスでは、研究者は、単にLEDと標準的なCMOSカメラで血液サンプルに敗血症バイオマーカーを検出できる。

研究チームは、バイオマーカーを捕らえるように設計された、特殊なナノ粒子の溶液をサンプルに加えることから始める。次に、その混合物をメタサーフェスに分布させる。「捕らえられたバイオマーカーを含むどんなナノ粒子も、ナノホールの抗体で素早く捕らえられる」と研究の共著者、Alexander Belushkinは言う。LEDを照射すると、そのナノ粒子が、穴の開いたメタサーフェスを透過する光を部分的に遮る。「このナノスケールの相互作用は、CMOSカメラで撮られ、デジタル的にリアルタイムで高精度にカウントされる」(Filiz Yesilkoy)。生成された画像を使用して、病気バイオマーカーがサンプルに存在するかどうかが迅速に判定てれ、もしあれば、どんな濃度かも判定される。チームは、新しいデバイスを使って、2つの重要な敗血症関連バイオマーカー、プロカルシトニンとC-反応タンパク質の血清レベルを計測した。医者は、この情報を使って敗血症患者のトリアージを加速させ、最終的に救命することができる。

「われわれのローコスト、コンパクトなバイオセンサは、救急車や病棟に貴重な装備であるとわれわれは考えている」とBIOS長、Hatice Altugはコメントしている。また、Vall d’Hebron University Hospitalの医師、Anna Fàbregaと Juan José Gonzálezは、「医者が、正確かつ迅速に敗血症を診断し、患者の死亡率を最小にするために、そのような有望なバイオセンサが緊急に必要である」と話している。