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NTU、電気励起開発で量子ドットレーザ

Quantum dot lasers move a step closer with electric-pumping development at NTU Singapore

December, 19, 2019, Singapore--シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究チームは、電界の助けを借りてコロイド量子ドットにレーザ発振させる方法を開発した。

コロイド量子ドット(CQDs)は、光の鮮明な飽和色を効率的に生成する半導体ナノ粒子であり、多くの電子デバイスのディスプレイスクリーンに利用されている。

CQDsは、レーザ材料として有望ではあるが、他の光エネルギー源で駆動する、つまり光励起が必要があるため、まだ実用化されていない。しかし、これでは半導体エレクトロニクスでの利用には大きくなりすぎる。

過去数年、研究者は、レーザでCQDsの利用を容易にする様々なアプローチを試してきた。電気化学的方法、科学的ドーピングなどである。これらのアプローチは、厳しい化学的溶剤の利用を必要とし、その製造には無酸素環境を必要とする。したがってラボスケールの実験に限定されていた。

Science Advancesに発表された論文で、NTU准教授、Steve Cuong DangとPh.D学生Yu Junhongは、電界がCQDsのレーザ発光にどのように役立つかを実証した。また、従来レーザ駆動に必要とされていたエネルギーは、ほんのわずかしか使わないことも示した。

実験では、NTU研究チームはCQDsを2つの電極の間に埋込んだ。電極がCQDs内部の特性を制御し、変える。この特性を操作することで、研究チームは、レーザ発振に必要なエネルギー閾値を10%程度まで下げ、CQDレーザの展望を実現に近づけた。

利用しにくい電気化学的方法の代わりに電界を使うことで研究チームは、初めてこの閾値低減を達成した。

幅広い色で、「電気駆動」のローコスト、小型レーザを作ることは、多くの光学、オプトエレクトロニクス研究者の至高の目標である。レーザは、医療、セキュリティ、コンシューマエレクトロニクスを含む産業にとってバックボーン技術であり、レーザTV開発の基礎でもある。

「われわれの実験成功により、電気励起、単一材料フルカラーレーザの開発が一歩前進することになる。その成果は、最終的に、コンシューマエレクトロニクスやIoTsで利用されるチップ集積システムにレーザを搭載できることになる」と電気・電子工学、准教授、Dangは話している。

コロイド量子ドットの利点
コロイド量子ドットは、液相化学合成で簡単に経済的に生産され、その光学的、電気的特性は、粒子サイズを変えることで変えられ、コントロールできる。

コロイドナノマテリアルは、低コスト、可変発光色、高効率のため、レーザメーカーにとって魅力的である。しかし現在、レーザ発振させるには、高速で強力なコヒレント光励起が必要である。それに対して、電気励起は、低速であり、弱く、インコヒレントである。

「レーザ研究の大きな課題は、ナノスケールレーザの開発、それらをオンチップフォトニックデバイスや超高感度センサに集積することである。これは、現代社会、特にIndustry 4.0を促進するデータや情報処理に大きな影響を与える」とHilmi Volkan Demir教授はコメントしている。

研究チームは、微小CQDレーザのオンチップ化研究を考えている。業界のパートナーと協力して、その技術を実用的なアプリケーションを持つ概念実証デバイスに発展させようとしている。