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フラウンホーファーIWS、迅速レーザにより防水溶接

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August, 22, 2019, Dresden--ドレスデンのフラウンホーファー研究チームは、高速振動するレーザビームを使う新しいレーザ溶接工程を開発した。
 この技術は、”remoweld FLEX”として知られており、特に要求の厳しい工程に適している。取り分け、水や他の望ましくない環境影響に対してしっかりと密封されるコンポーネントの封止である。これに含まれるのは、電気および電子コンポーネントの筐体、熱交換器、冷却器の筐体。これらは、以前は溶接が非常に難しいと見なされ、ダイキャストアルミニウムで構成されていることが多い。フラウンホーファーマテリアル研究所とビーム技術IWS研究所とラーベンスブルクのMaschinenfabrik Arnoldが、この研究開発に関与している。
 フラウンホーファーIWSレーザビーム溶接グループ長、Dr. Dirk Dittrichは、その新しい溶接ヘッドは、多くのアプリケーションシナリオで非常に興味深いと考えている。例えば、電気自動車製造は、将来的にはネジやプラスチックの代わりに、強力なレーザ溶接封止を使って、冷却水サーキットをエンジン付近に密封できる。これにより、エンジン冷却システムの寿命と信頼性が著しく改善される。

厄介なアルミダイキャスト部品
 新しいプロセスは、溶接が難しい材料が使われているところならどこでも推奨される。また、以前は、従来法だけで密封しなければならなかったところ、場合によっては、まだ手作業で密封しているようなところである。一例を挙げれば、電気自動車の製造。こうした車輌では、バッテリや他の電気制御機器は、冷却が必要である。しかし、電気系は冷却水と接触してはならない。短絡が発生するからである。このため、制御ユニットは、軽量のダイキャストアルミニウムでできた筐体で保護されることが多い。アセンブリ後、ネジ式のカバーとプラスチック封止でカプセル化される。これは、骨の折れる作業であるが、他の方法では解決困難であった。ダイキャストアルミニウムは、防水となるほど高信頼に溶接できない。これは、ダイキャストアルミニウムのガス充填キャビティのためである。古典的なレーザが、これら「キャビティ」を切断すると、その効果は、急に風船を破裂させるのと同じである。閉じ込められていたガスが突然そのキャビティから放出され、同時に、レーザで作製されたばかりの溶融金属が排出される。この状態で縫い目が冷却されると欠陥が残る。水は、究極的には、その小さな漏れを通って電気系統に達する。

精密レーザビーム
 IWS開発者は、そのようなダイキャストアルミニウム部品を安全に、防水溶接する方法を見いだした。”remoweld FLEX”プロセスヘッドでは、ミリメートルの1/10程度の小径ビームが、材料の上を素早く動く。Dr. Dirk Dittrichの説明によると、これは、粗いトーチの代わりに精密な針を使うようなものである。この「光の針」は、溶融バス内で一秒に数千回振動する。ESL2-100モジュール、フラウンホーファーIWSで開発されたシステム技術はレーザスキャナをシステム制御(PLC)に直接組み込み、動きを精密に管理し、望む曲線に沿って素早く振動させる。結果は、非常に均一な、特に防水溶接シームである。
 「われわれは、こうして中規模自動車サプライヤと多くの他の産業顧客向けに非常に魅力的なソリューションを開発した」とグループマネージャーは確信している。ソリューションは、レーザスキャナ、ミラーオプティクス、リアルタイム制御と他のシステムコンポーネントが十分に調整されて達成された。さらに、レーザモジュールには柔軟な拡張オプションがある。例えば、リアルタイム均質制御向けに高速カメラを加えることができる。システムは、溶接工程中に多くのセンサデータを記録しているので、さらなる最適化の可能性がある。

“Industrie 4.0”とデジタル化に重要なステップ
 この点で、”remoweld FLEX”技術は、Industrie 4.0への重要なステップでもある。「レーザ溶接工程は、例えばネジ止めと比べると、非常に高度の自動化を可能にする」とDirk Dittrichは説明する。これは、製造におけるデジタル化ギャップをなくすことである。例えば、接続パイプを手作業で封止しようとしているオペレータの作業ステップをコンピュータが理解できる値に翻訳することは難しい。しかし、レーザ溶接ヘッドは、デジタル的に動作する。一方、ユーザーは読み出し工程データからデジタルコンポーネントファイルを入手できる。これら詳細な電子記録は、多くの産業でますます要求が増える。欠陥が起こったときに、後にレーザ頼りの要求を取り扱え、量産で一貫した高い製造品質を達成するためである。ここで可能な膨大なプロセスは、われわれの手順によるものである」とグループマネージャーは推定している。