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ファイバベースイメージング分光計、記録的なデータ量を取得

TomaszTkaczyk-YeWang-inTheLab

August, 21, 2019, Washington--ライス大学の研究チームは、リモートセンシング向けに新しいコンパクトなファイバベースのイメージング分光計を開発した。これは、30000サンプリングポイントをキャプチャでき、それぞれが60以上の波長を含む。この豊富なスペクトル情報と高い空間分解能を組み合わせると、シーンやサンプルの化学組成の貴重な洞察を得ることができる。
 「われわれが開発したようなコンパクトなイメージング分光計は、無人航空機で使用して、作物生産の増加、検出された汚染に基づいて災害後の反応の情報供給に役立つ。バイオメディカル分野では、同システムは診断テストの効率を高め、研究者が生物学的プロセスの理解向上のために役立つ」とライス大学の研究チームリーダー、Tomasz S. Tkaczykはコメントしている。
 Optics Expressに発表された研究成果によると、研究チームは、その測定器が、他のファイバベースシステムで報告されたよりも一桁多い情報を提供できることを示している。測定器は、わずか600×150×150ミリメートルであり、無人航空機に搭載して使える程度のサイズ。研究チームによると、その測定器は、さらに小型化でき、同時に最大2500000ポイントから100波長以上をキャプチャできる。
 新しい分光計は、スキャニングなしで直ちにスペクトル情報を取得する。これにより、動く標的や変化する条件など、急速に変化する対象を素早く撮像できる。

より小型のファイババンドルの実現
 イメージング分光計は、ファイババンドルを使ってスペクトル画像をディテクタ、あるいはディテクタアレイに送ることができる。このセットアップを組み込んでいる分光計は通常、入力側で方形に配置されたファイババンドル、ディテクタ端で単一ファイバを特徴としている。つまり、ファイバの数、したがって、空間分解能が、ディテクタの寸法によって制限されるということである。
 「新しいファイババンドル設計で空間サンプリングを増やすために、各列間のギャップでファイバを多重列に配置した。この設計の付加的利点は、特定のアプリケーション要件を満たすように、ギャツプのサイズを変えて、空間とスペクトルサンプリング間のバランスを調整できることである」とTkaczykは説明している。

イメージング分光に適した商用入手可能な小径ファイバは、一般に、125-250µm径であり、これでは直ちにファイババンドルのサイズが足りなくなる。コンパクトにするために研究チームは、各ファイバが10µmコアの市販のマルチコアファイバリボンを利用した。チームは、光集光能力を高めるために、ファイバのNAも最適化した。
 30000以上のファイバからスペクトルを収集するには、徹底したキャリブレーションプロセスを必要とする。研究チームは、システムの全ての空間サンプリングを校正するために5分足らずしかからない、また、わずか数画像の取得のみを必要とする迅速方法を開発した。

スペクトル画像の取得
 研究チームは、ライス大学キャンパスで遠隔シーンと植生の撮像にそれを利用することで新しい分光計を実証した。「これらのテストは、システムのスペクトルイメージング能力を証明しており、環境およびリモートセンシングアプリケーションでの利用にそれが大変有望であることを示している。イメージング分光計を高空間サンプリングで迅速に校正する新方法は、ファイババンドルや他のイメージングデバイスの校正にも拡張可能である」とTkaczykは話している。
 研究チームは現在、その測定器のさらなる改善に取り組んでいる。特注ファイバリボンを使うことでファイババンドルをさらにコンパクトにする考えであり、またシステムの光スループットを高める方法も研究している。

(詳細は論文、DOI: https://doi.org/10.1364/OE.27.015701.)