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フォトニクスを変革する多材料3Dナノプリンティング

August, 2, 2019, College Park--メリーランド大学のエンジニアが、新しい多材料3Dナノプリンティング技術を開発した。研究成果は、Lab on a Chipに掲載されている。

研究チームの新技術は、微小な多材料構造をプリントできるもので、研究者は、これらの非常に複雑な構造をより速く、安価に、正確に3Dプリントする手段を利用できるようになる。同プロセスが、ほとんどのマイクロフルイディック(微小流体)ラボで広く利用されている、非常に簡素な成形プロセスを利用するからである。

その新しいアプローチを実証するために研究チームは、様々な多材料コンポーネントを3Dナノプリントした。5材料DNA構造、多材料「マイクロセロ」、4材料UMDロゴが含まれている。

「多材料システムを3Dナノプリントするための利用可能な方法を研究者に提供する。これは、迅速であるだけでなく、従来の方法よりも正確である。このような方法を提供することで、この研究は、多材料のマイクロ構造、したがって多機能を必要とする新しいアプリケーションに扉を開く」とUMDのバイオエンジニアリング准教授、Ryan Socholはコメントしている。

この新しいアプローチの一つのアプリケーションで、Bioinspired Advanced Manufacturing (BAM) Laboratoryは、FDAと協力して、様々な光学特性を持つ複雑な生体構造を含む人の眼の一部を3Dナノプリントするためにこの戦略を適用しようとしている。

過去10年、研究者にとって、1材料以上の構造の3Dナノブリンは難しかった。従来の技術は、時間、コスト、労力、多材料解像度で限界があったためである。近年、3Dプリンティング技術が大きく進歩したが、極めて微小スケールでのプリンティングは、まだ難しいままである。

「残念ながら、以前の課題は、多材料3Dナノプリンティングベースでは、進歩はほんのわずかだった。わずか2材料を含め、大部分で言えることである」と博士課程研究の一環で、そのアプローチを開発したLamontはコメントしている。さらに同氏は、「われわれの戦略では、研究者は、多数の集積材料のシステムを簡単に3Dナノプリントできる。スピードやサイズは、従来の方法では可能ではなかったレベルである」と説明している。

 Clark Schoolチームは、この戦略に2つのUS暫定特許を申請している。これは、「インサイチュ直接レーザ描き込み」と今年初めに発表した成果に基づいている。多材料構造は,マイクロチャネル内に直接3Dナノプリントされる。チャネル1に一度にロードされた明確な液体材料を材料特有のプリンティングに使う。プリンティングプロセスが完了すると、マイクロチャネル筐体が除去され、その後に多材料3D構造がわずかな時間で完全に組み込まれる。これは、最先端のものより精度は高い。

「目標の化学的、生物学的、電子、光学、あるいはまた機械的特性の材料で構成されるシステムを3Dナノプリントするこの新しい能力は、薬剤送達、先進的オプティクス、メタマテリアル、およびマイクロロボティクスを含む分野におけるブレイクスルーに有望な経路を提供する」Socholは話している。