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スマートフォンに使われているレアメタルを検出する新センサ

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June, 19, 2019, University Park--ランタノイドを検出するより効率的で経済的な方法が,新しいタンパク質ベースセンサで可能になる。このセンサが、これらの金属に結びつくとその蛍光が変わるからである。ランタノイドは、スマートフォンや他の技術で用いられる希土類金属。
 ペンシルバニア州立大学のチームは、タンパク質からそのセンサを開発し、ランタノイドを使うバクテリアの生物学的探求にそのセンサを利用した。研究成果は、Journal of the American Chemical Societyに発表された。

「ランタノイドは、スマートフォンのスクリーンやエレクトロニクス、電気自動車のバッテリー、人工衛星やレーザなど、様々な現代技術で使われている」と論文のシニアオーサ、化学准教授、Joseph Cotruvo, Jrはコメントしている。「これらの元素はレアアースと呼ばれ、周期表の原子量57~71の化学元素を含む。レアアースは、環境から、また産業サンプル、鉱山、石炭廃石から抽出するのが難しくコストがかかる。開発したタンパク質ベースのセンサは、サンプルの微量ランタノイドを検出することができ、これらの重要金属を抽出することが価値があるかどうかを教えてくれる」と同氏は説明している。

研究チームは、カルシウム検出に用いられる蛍光センサを再設計し、カルシウムに結びつくセンサの一部をタンパク質で置き換えた。研究チームによると、他の金属よりもランタノイドとの結合は数100万倍優れていることが最近分かった。タンパク質は、ランタノイドと結合すると形状が変わる。これが、そのセンサの蛍光が「ターンオン」するカギである。

「サンプルに存在する各元素を検出するゴールドスタンダードは、質量分析技術、ICP-MSである。この技術は非常に高感度であるが、ほとんどのラボが所有していない特殊計測器を必要とし、しかも安価とは言えない。われわれが開発したタンパク質ベースのセンサは、サンプルのランタノイド総量を検出できる。それは、各元素を同定しないが、サンプリングのロケーションで迅速かつ安価に使える」とCotruvoは説明している。

 研究チームは、ランタノイドを使う一種のバクテリアの生態を調べるためにもそのセンサを使った。そのバクテリアから、当初、ランタノイド結合タンパク質が発見された。早期の研究では、バクテリアのペリプラズムにランタノイドを発見していた。ペリプラズムとは、細胞外側に近い膜間のスペース。しかし、そのセンサを使うことで研究チームは、バクテリアの細胞質ゾル、細胞を満たす液にもランタノイドを発見した。

「われわれは,最も軽い、周期表のランタンからネオジウムまでが、細胞質ゾルに入るが,重い方は入らないことを確認した。まだ、それがどのように、なぜかを正確に理解しようとしているが、これから分かることは、ランタノイドを操作する細胞質ゾルにタンパク質があるだ。これは以前には分からなかった。この取込の高い選択性の背後にあるものを理解することは、一つのランタノイドを別のものから分離する新方法開発にも役立つ。これは、現状では、非常に難しい問題である」とCotruvoは話している。

研究チームは、多くのバクテリアが鉄を取り込むように、そのバクテリアがランタノイドを取り込むことを発見した。その金属に強く結合する小さな分子を分泌し、錯体全体を細胞に取り込む。これから明らかになことは、強い選択性のあるセンサよりも、もっと強くランタノイドに結合する小さな分子の存在である。