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化学療法薬剤を吸収する3Dプリントアブソーバ

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June, 14, 2019, Berkeley--肝臓などの臓器のガン治療には、医師はカテーテルで直接腫瘍に薬剤を供給できるが、残留薬物が逃れ、身体の他の部分の健全な臓器に影響を与える。UC Berkeley化学エンジニアが開発したドラッグスポンジは、残留薬物を吸収し、副作用を減らす。

余分な薬剤を吸収するために血流に挿入されたスポンジのようなアブソーバの助けを借りると、医師は、有毒な化学療法薬剤の危険な副作用を防げ、肝臓ガンのような、安全な処置に反応しない腫瘍を撃退するためにもっと高用量を供給することさえできると考えている。

「ドラッグスポンジ」は、3Dプリントされたシリンダを被覆する吸収性ポリマで、例えば、肝臓ガンの肝臓、標的臓器から流れ出す血液を流す血管に精密にはめる。そこで、それが腫瘍が吸収しなかった薬剤を吸収し、それが他の臓器に届いて汚染しないようにする。

豚での早期テストで、ポリマコート薬剤アブソーバは、アップストリームに注入した化学療法薬剤、ドキソルビシンを平均64%吸収した。

「外科医は、ステントのようなスポンジを血流に入れ、設置する。化学療法を行う時間だけそれをそのままにしておく、おそらく数時間だ」とNitash Balsara、同大学化学・生物分子工学教授、ローレンスバークリー国立研究所ファカルティサイエンティストは言う。

「それは一時的なデバイスであるので、FDA認可条件のハードルは低い。この種の化学フィルタは、患者への最短経路の1つだ」とUCSFの介入ラディオロジスト、血流から薬剤を除去する方法を求めてBalsaraに最初に接近してきた、Steven Hettsは言う。

ほとんどの抗ガン剤は、毒性があるので、化学療法を行うとき医者にとっては、さじ影が難しい。それでも、化学療法は、一般に、主な副作用、吐き気、嘔吐、下痢や免疫系の抑制、もちろん脱毛や潰瘍をともなう。

「われわれは、肝臓ガン周辺でこれを開発している。肝臓ガンが大きな公共衛生の脅威だからである。毎年、数万の新たな症例があり、またわれわれはすでに動脈内化学療法を使って肝臓ガンの処置を行っている。しかし,この種のアプローチは、臓器の範囲に限定されるどんな腫瘍、病気にも使うことができる、また、薬剤が広がり、身体のどこかで副作用を起こす前に、静脈側で薬剤を吸収したくなる。究極的に、われわれは腎臓腫瘍や脳腫瘍処置に、また他の臓器でもこの技術を使いたい」。

研究成果は、ACS Central Scienceに発表された。

UCSF Mission Bay Hospitalsのインタベンショナル・ラディオロジスト主任、Hettsは、眼と脳の腫瘍を血流にカテーテルを通すことで処置する。化学療法薬剤を直接腫瘍箇所に送達するためである。これは、腫瘍に最大薬量を送達し、身体の他の箇所には薬剤はほとんど行かないので、副作用を最小化する。化学療法薬剤を直接血流に注入する方法に対して、大幅な改善となる。血流に薬剤を入れる方法は、薬剤が身体のあらゆる部分に到達し、毒することになり、患者より先に腫瘍が屈服するかはギャンブルである。とは言え一般に、身体に注入された薬剤の半分以上は、目標臓器から逃れる。

数年前、同氏は大きな改善について考え始めた。標的器官から出る血液をフィルタリングして、余分な薬剤を除去する方法である。全体として、薬剤の非常に少ない量が身体に届くようにするためである。

化学エンジニア、Balsaraは、バッテリや燃料電池用イオン性ポリマの専門家であり、血流に入れる適切なアブソーバを見つけるためにHettsがアプローチした一人である。2016年、全UC Berkeley、バークリー研究所ポスドクフェロー、Chelea Chenが効率よくドキソルビシンを吸収するイオン性ポリマを同定した。これは、多分、燃料電池で使用されるものである。

Balsaraによると,アブソーバは、標準的な化学工業コンセプトである。石油精製では、硫黄などの不要な化学物質を除去するために使用されている。文字通り、そのコンセプトを石油精製から取り、それを化学療法に適用した。

研究チームは、大量入手が可能な吸収ポリマ商用バージョンに取りかかり、ポスドクHee JeungOhが一年以上費やして、そのポリマを3Dプリントシリンダに付着させる方法を完成させ、ヒトの血管内部にそのシリンダを張り巡らせた。

「血管にシリンダをピッタリ付着させることは重要である。付着が十分でないと、溶けた薬剤が、アブソーバントと相互作用することなしに流れ去る」とBalsaraは言う。個々の患者にデバイスをカスタマイズする必要性を認識しているので、長年の協力者、3D会社Carbon, IncのCEO、Joseph DeSimoneの協力を求めた。

実験では,3Dプリントしたデバイスを豚の血管にインプラントし、上流に注入したドキソルビシンがどの程度アブソーバの下流に残っているかを計測した。健康な豚では、薬剤の約64%が除去された。

(詳細は、https://news.berkeley.edu/)