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Science/Research 詳細

4Dプリント材料、材木よりも硬く、スポンジよりも柔らかい

June, 5, 2019, New Brunswick--ラトガース(Rutgers University)固有のスマートマテリアルは、温度の変化とともに形状を変える。
 ラトガースの研究チームは、柔軟、軽量な材料を4Dプリンティングで作製した。これは、より優れた衝撃吸収性、航空機やドローンの翼変形、ソフトロボットや微小なインプラント可能な生体デバイスにつながる。研究成果は、Materials Horizonsに発表された。

3Dプリンティングは,積層造形とも言われるが,デジタル青写真を、層ごとに構築することで物理的な物体に変える。4Dプリンティングは、この技術をベースにしているが、一つ大きな違いがある。特殊な材料や条件、例えば温度を引き金に使う。Howon Lee、機械・航空宇宙光学准教授によると、時間は第4の次元であり、対象物を新たな形に変形する。

「材料科学、機械工学と3Dプリンティングのこのような前例のない相互作用は、広範な素晴らしいアプリケーションへの新たな経路となるものである。これにより、技術、健康、安全、生活の質が改善される」とLeeは言う。

 研究チームは、新しいクラスの「メタマテリアル」を作製した。自然には見つからない、珍しい、反直観的な特性を持つように設計された材料である。

以前は,メタマテリアル形状や特性は、一旦それが作製されると、不可逆的であった。しかし、ラトガースの研究チームは、そのプラスチックのような材料を熱で調整できる。したがって、それらは構築した時は硬いが、衝撃を吸収するスポンジのように柔らかくもなる。

硬さは、室温(73華氏)と194華氏の間で100倍以上に調整できるので、衝撃吸収の制御性は大きい。材料は、様々な目的のために再形成可能である。また、時間的に変形形状を変え、加熱してオンデマンドで元の形状に戻すこともできる。

その材料は、航空機やドローンの翼に使用して、形状を変えることで性能を高める。また、軽量であるので、折り畳んで宇宙に打ち上げ、宇宙でもっと大きな構造、例えば太陽パネルなどに修正できる。

ソフトロボットは、タコからヒントを得た柔らかい,柔軟なゴム材料でできている。柔軟にも,硬くすることもできるので、環境や手元の作業に合わせて調整できる。人々に診断や治療のために挿入、インプラントされる微小なデバイスは、侵襲性が少なく、身体に苦痛が少ない挿入となるように時間的に柔らかく柔軟にできる、とLeeは話している。