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HKUST、量子メモリ効率の新記録を達成

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May, 16, 2019, Hong Kong--香港科学技術大学(HKUST)と華南師範大学(SCNU)の共同研究チームの発表によると、チームはフォトニック量子メモリ効率の新たな記録を打ち立て、量子コンピュテーションを現実に一歩近づけた。

コンピュータのメモリ同様、量子メモリは、量子コンピュータにとって重要なコンポーネントである。これは、量子力学の法則にしたがい、古典的なコンピュータの限界を克服する新しい世代のデータプロセッサである。

フォトニック量子メモリは、高速のシングルフォトン量子状態の蓄積と読出しを可能にする。しかし、そのような高効率の量子メモリの製造は、大きな課題として残っている。完全に一致したフォトンと物質量子の界面を必要とするからである。その一方で、シングルフォトンのエネルギーは弱すぎ、迷光背景の雑音に簡単に失われてしまう。長い間、こうした問題が、量子メモリの効率を50%以下に抑制していた、50%は実用的なアプリケーションで重要な閾値である。

研究チームは、史上初めて、フォトニック量子メモリの効率を85%以上、忠実度99%以上に増強する方法を見いだした。

チームは、数十億のルビジウム原子を髪の毛ほどの微小スペースにトラップすることによって、そのような量子メモリを実現した。その原子は、レーザと磁場を使って、ほぼ絶対零度(約 0.00001 K)に冷却される。チームは、雑音の多い背景からシングルレフォトンを区別するスマートな方法も発見した。その成果は、「汎用」量子コンピュータを現実に一歩近づけた。そのような量子メモリは、量子ネットワークのリピータとしても利用可能であり、新世代の量子ベースインターネットの基盤を構築することになる。

HKUST物理学教授、DU Shengwangは、「この研究で、素早いqubitをシングルフォトンの偏光にコーディングし、それをレーザで冷却された原子に蓄積する。この研究で実証された量子メモリは、1qubit動作に過ぎないが、将来の新しい量子技術・工学の可能性を開くことになる」とコメントしている。
研究成果は、Nature Photonicsに発表された。
(詳細は、https://www.ust.hk/)