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世界最速水素センサがクリーンエネルギーに道を開く

April, 19, 2019, Chalmers--水素がエネルギー担体となる持続可能社会では、迅速かつ正確なセンサが重要である。水素ガスは、風力や太陽電池で生成される電気の助けを借りて水を分離して製造される。そうしたセンサは、水素が生成される時、それが使用される時、この両方で必要になる。例えば、燃料電池を動力とする自動車。水素が空気と混合された時に可燃性、爆発性の「酸水素ガス」の生成を避けるために、水素センサが素早くリークを検出できる必要がある。
 水素は、自動車の動力となり得るクリーンな再生可能エネルギー担体である。水しか放出されない。残念ながら水素ガスは、空気と混合すると極めて燃えやすい。したがって、非常に効率的で効果的なセンサが必要になる。スウェーデン、チャルマース工科大学(Chalmers University of Technology)の研究チームは、水素を動力源とする自動車で利用される将来の性能目標を常に満たす初の水素センサを提案している。
 研究グループの画期的な成果は、Nature Materialsに発表された。その発見は、プラスチック材料にカプセル化された光ナノセンサである。同センサは、光学現象、プラズモンベースで機能する。プラズモンは、金属ナノ粒子が可視光で照射され捉えられたときに生ずる。環境における水素量が変化するとそのセンサは色を変えるだけである。
 微小センサの周りのプラスチックは、単なる保護ではなく、重要コンポーネントして機能する。それは検出される場所で、水素ガス分子の金属粒子内への取込を加速することによってセンサの反応時間を早める。同時にプラスチックは、環境に対する効果的な障壁として機能し、他の分子が侵入してセンサを不活性化することを防ぐ。センサは、したがって、高効率で、乱されることなく動作し、自動車産業の厳しい要求を満たせる。つまり、1秒以下で0.1%の空気中水素を検出できる。
 「われわれは、世界最速の水素センサを開発したにとどまらず、時間が経過しても安定な、不活性化しないセンサを開発した。今日の水素センサと違い、われわれのソリューションは頻繁に再調整する必要がない、プラスチックで保護されているからである」と物理学科の研究者、Ferry Nugrohoはコメントしている。
 目的は、第1に水素をエネルギー担体として使用することであるが、そのセンサは他の可能性も提示している。高効率水素センサは、配電網産業、科学および原子力産業でも必要とされており、また医療診断改善にも役立てることができる。
 「われわれの呼気中の水素ガス量は、例えば、炎症や食物不耐性への答えを提供できる。われわれの成果が幅広い分野で使用されることを望んでいる。これは、科学的な発表を超えるものである」とChristoph Langhammerは話している。
 最終的に、そのセンサが、例えば3Dプリンティング技術を使って、効率的に連続製造できるようになることが望ましい。
(詳細は、https://www.chalmers.se)