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EPFL、コンパクトなレーザ光源で汚染を検出

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April, 11, 2019, Lausanne--スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは、空気中、人の呼気中の分子の汚染検出に使用できる簡素な中赤外レーザ光源を開発した。同システムは、一般にそのような目的で使用される大型のものと比べて占めるスペースは著しく小さい。
 EPFLの研究チームは、グリーハウスガスや他の気体、人の呼気の分子を検出できる新しい中赤外光源を開発した。そのコンパクトなシステムは、小型スーツケースに似ており、わずか2つの部品を含んでいる、標準レーザと直径数㎜のフォトニックチップである。研究成果の詳細は、Nature Communicationsに発表された。
 中赤外スペクトルは、研究者にとって特に有用である。この波長範囲で、環境や人の健康で重要な役割を担う粒子を光が検出するからである。しかし、今日まで、赤外レーザシステムは、複雑で壊れやすいハードウエアを必要としているので、運ぶのが難しかった。
 EPFLの研究チームが開発した新技術は、大変革である。チームは、市販のファイバレーザにマイクロメートルの導波路チップを結合して、中赤外域で高信頼に光波を生成できるようにした。次に、分光計を追加してこの光源の潜在力を実証し、無色の高可燃性気体、アセチレンの存在と濃度の検出に成功した。
 同システムは、特殊波長域の光を放出するコンパクトでロバストなファイバレーザを使用する。ビームは、1µm径、1㎜長の導波路に入り、これを通過する際に光の周波数を変える。そのシステムは、中赤外スペクトルの光を生成し、元の信号強度の30%を維持する。研究チームは、導波路の形状を調整することで光波長をチューニングすることもできる。
 論文の著者の一人、Davide Grassaniは、「このデバイスは、効率の新たなベンチマークを設定するものである。完全集積分光レーザ光源を作製したのは、これが初めてである。これにより、従来のレーザシステムで苦労して全ての部品を精密アライメントするプロセスは不要になる」とコメントしている。
 システム設計の重要側面をチームが改良してブレイクスルーが得られた。導波路形状と材料、それに元のレーザ光源の波長。「シンプルだが効率的で頑丈なそのようなシステムは、多くの設計作業が必要である」とEPFL工学部のフォトニックシステム研究所長、プロジェクトのまとめ役、Camille Brèsは話している。
 この進歩は、微小化中赤外技術に道を開く。これは、研究者がめったに取り組むことがない波長範囲である。「われわれが、さらにシステム開発を進めると、簡単にフィールドに持ち運べるオンチップ・ディテクタも見通せる」と同氏は付け加えている。