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より安全なコンピューティングに有望な新材料

March, 4, 2019, Austin--コンピュータの進歩にともない、金融取引から軍事機密まであらゆるものの安全を担保するために現在利用されている暗号法が、間もなく役に立たなくなる可能性がある、と技術専門家は警告している。テキサス大学オースチン物理学教授、Xiaoqin Elaine LiのチームがNatureに発表したレポートは、量子力学の法則で保証された、ハッカー耐性の通信を可能にする発光特性を持つ材料の開発を報告している。
 研究チームの新しい材料は、原子厚の材料を2層スタックしたもので、これは光からエネルギーを吸収し、新たなフォトンを放出する。研究者によると、その材料は数千の同じ「シングルフォトンエミッタ」を持っている。これが事実であると確認されると、そのような新しい光源は、情報を保護する新しいハッカー耐性のある方法の一部として利用することができる。シングルフォトンエミッタを開発している他の研究者もいるが、数千の同一のフォトンアレイを生成する技術はこれまでになかった。
 「これは、未だかつて実証されたことがない量子情報科学における長年の目標である。われわれの研究は、この新しい材料でこの目標が達成できる可能性を示唆している」とLiはコメントしている。
 チームが研究している材料は、わずか数原子厚の2D結晶シートでてきている。そのような超薄原子シートを造る方法は、極めて簡単である。研究チームは、スコッチテープを使って結晶から個々の層を剥がす。2つの異なる層を相互スタックし、それらを互いにわずかに回転することで、原子の規則的間隔パターンをもつ人工結晶を造ることができた。そのようなパターンはモワレ結晶として知られており、これは、ナノメートルオーダーの狭い空間に電子を局限する。
 研究チームは、その新しい材料が数千のシングルフォトンエミッタのチェッカー盤アレイを形成するという強力な実験的、理論的証拠を持っているが、チームの装置の分解能は、まだそれを最終的に検証するほどではなかった。次の段階では、研究チームは、他の研究者と協働して、実際にシングルフォトンエミッタを形成していることを検証し、併せてその材料の品質改善も継続して行う。
(詳細は、https://cns.utexas.edu)