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わずか2分の製造時間で次世代オプティクスを実現

February, 18, 2019, Lausanne--フレキシブル光回路や超薄オプティクスの重要構成要素の一つはメタサーフェスである。
 EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のエンジニアは、わずか数分でこのサーフェスを作る簡便な方法を開発した。クリーンルーム不要、すでに製造で用いられている方法を利用する。研究成果は、Nature Nanotechnologyに発表された。
 光回路は、多くのデバイスの性能を変革し始めている。電子回路よりも10~100倍高速であるばかりか、光回路は消費電力も非常に少ない。回路内で、光波を集中し必要に応じて導波する光はメタサーフェスという極薄サーフェスで制御される。メタサーフェスは、規則的間隔のナノ粒子を含んでおり、これはサブミクロン波長スケールで電磁波を変調できる。
 メタサーフェスによりエンジニアは、柔軟なフォトニック回路や超薄オプティクスを作ることができ、アプリケーションはフレキシブルタブレットコンピュータから光吸収特性が強化された太陽光パネルまでと幅広い。また、フレキシブルセンサ実現にも使用可能であり、こうしたセンサは患者の皮膚に直接設置して、例えば心拍や血流を計測し、特殊な化学物質の検出に使用できる。
 問題は、従来法、リソグラフィを利用してメタサーフェスを作製するところにあり、この方法では、細心の注意を払ってクリーンルームで数時間の工程で作製する。しかしEPFLのフォトニック材料とファイバデバイス研究所(FIMAP)の研究チームは、わずか数分でメタサーフェスを低温、ときには室温で、クリーンルームさえ使うことなく、製造する簡便な方法を開発した。EPFL工学部の方法は、誘電体ガラスメタサーフェスを造るもので、硬くも柔軟にも、いずれにもできる。
 その新方法は、すでに流体力学で用いられている方法を利用する、つまりデウエッティング(dewetting)である。これは、材料の薄膜が基板に堆積され、続いて加熱される時に起こる。熱が膜を後退させ、微小なナノ粒子に分裂させる。「デウエッティングは、製造上の問題と考えられていたが、我々はそれを利点として使うことにした」と論文の筆頭著者、FIMAP長、Fabien Sorinは説明している。
 その方法で、研究チームは初めて、金属メタサーフェスではなく、誘電体ガラスメタサーフェスを造ることができた。誘電体メタサーフェスの利点は、微光を吸収し、高屈折率であること。したがって、それを伝播する光を効果的に変調できる。
 このメタサーフェスを作製するために、研究チームは最初に、所望の構造でテクスチャ化された基板を造った。次に材料を、今回は、数十ナノメートル厚のカルコゲナイドガラを薄膜に堆積した。基板は、続いて数分加熱され、ガラスが流動化し、基板のテクスチャで決まるサイズと位置に、ナノ粒子が形成され始めた。
 この方法は、非常に効率的であるので、極めて高度なメタサーフェスを作製できる。ナノ粒子のレベルはいくつかあり、つまり10nm間隔ナノ粒子アレイである。これによりそのメタサーフェスは、環境条件に対して非常に高感度になる。例えば非常に低濃度の生体粒子でも検出できる。Sorinは、「デウエッティングを使ってガラスメタサーフェスを作製するのはこれが初めてである。利点は、我々のメタサーフェスが滑らかで規則的あり、大きな基板や柔軟な基板に簡単に作製できことである」と語っている。