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分子の大きさで円偏光発光の回転方向を制御できる環状キラル色素を開発

January, 17, 2019, 東京--北里大学大学院理学研究科の長谷川真士講師、真崎康博教授と近畿大学理工学部応用化学科の今井喜胤准教授の研究グループは、「ナフタレン分子を環状に規則正しく並べる」という単純な分子設計で、強い円偏光発光(CPL: Circularly Polarized Luminescence)を示す色素を開発した。
 CPL色素は三次元ディスプレイや暗号通信に応用が可能な円偏光発光を示す色素だが、偏光の強弱や回転方向などの性質と分子構造との相関がよくわかっておらず、合理的な材料設計が困難な状況にある。光学活性な分子から強力なCPLを得るには、「光るユニット」をどのように配置するのかが鍵となる。
 研究チームは、「光るユニット」として、キラル(鏡像関係にあり重ね合わせられない位置)に配置したサブユニット(ビナフチル)を用意し、環状に繋げることにより、強いCPLを観測した。また、環のサイズによって「光るユニット」の配置が変化するため、円偏光の回転方向の制御も可能となった。これは従来よく分かっていなかった「分子構造とCPLの相関」を実験的に明らかにしたものであり、今後、CPL 色素を用いた機能性光学材料の設計への重要な指針を得たと言え.。
 研究成果は、Chemical Communicationsのオンライン版で公開された。

研究の要点
•三次元ディスプレイや暗号通信に応用可能な環状の円偏光発光(CPL)色素を開発した。
•CPL色素の性質と分子構造の相関はこれまで分かっていなかったが、光るユニットを環状にしてサイズを調整することで、偏光の強弱と回転方向の制御に成功した。
•今回の結果は実用的なCPL色素材料の設計に重要な指針を与えた。

(詳細は、https://www.kitasato.ac.jp/)