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渦を巻いて飛行する「光子渦」の量子状態を調べる手法を提案

January, 15, 2019, 東京--日本大学の丸山智幸教授、量子科学技術研究開発機構の早川岳人上席研究員、国立天文台の梶野敏貴准教授は、通常の光子とは異なる、渦を巻いて飛行する「光子渦」が持つ角運動量の大きさ、節の数などの量子状態を、コンプトン散乱で測定可能であることを、相対論的量子力学理論を用いて示した。
 「光子渦」は角運動量を持つため、分子を回転させたり物質を捻ったりでき、ナノテクロジーへの応用が進められている。また、通常の光子にはスピンの右巻き・左巻きの2つの状態しか持たないが、「光子渦」には、角運動量の大きさや節の数などの多数の量子状態があるため、1個1個の光子に多数の情報を持たせることができ、暗号通信などの情報工学で注目されている。しかし、個々の「光子渦」の量子状態を知る方法が確立していなかった。
 コンプトン散乱とは、光子が電子と衝突して電子を弾き飛ばして、光子自身も散乱される現象であり、光子と物質の基本的な反応の一つ。
 研究では、1個の「光子渦」と電子のコンプトン散乱を相対論的量子力学を用いて計算した。その結果、散乱後の電子と光子を同時に計測することで、「光子渦」の角運動量の大きさ・節の数を測定可能であることが判明した。
 「光子渦」のナノテクや暗号通信以外にも、「光子渦」と原子核や素粒子との反応という新しい分野が拓かれようとしており、宇宙において「光子渦」が生成されている可能性も指摘されている。「光子渦」は広い分野で重要な概念になりつつある。この手法は「光子渦」が生成されたかどうか確認する重要な手段となり、また、未知の「光子渦」が存在する場合、その波動関数の状態を調べる手段となる。
 研究成果は、Scientific Reportsに掲載された。

(詳細は、http://www.qst.go.jp)