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インフラの長寿命化を支える先進レーザ診断技術の実証実験に成功

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December, 21, 2018, 和光--理化学研究所(理研)光量子工学研究センターの緑川克美センター長と加瀬 究先任研究員、レーザ技術総合研究所(レーザ総研)の島田義則主任研究員と倉橋慎理研究員らの共同研究グループは、トンネルなどのインフラの保守保全作業を自動化、効率化する先進レーザ診断技術「車両走行型高精細レーザ表面計測(レーザ走行計測)、「レーザ誘起振動波診断技術(レーザ打音)を開発した。
 また、静岡県交通基盤部の協力で、静岡県富士宮市の尾崎トンネルにおいて、トンネル壁面の同一ひび割れ箇所へのレーザ走行計測およびレーザ打音の連結実験に初めて成功した。
 この研究成果および実験結果は、効率的かつ安全なインフラの保守保全法の確立に向けた大きな前進と言える。
 高度経済成長期に建設されたトンネルなどのインフラは老朽化し、修繕が必要な箇所が増えてきている。しかし、現在、トンネルなどのインフラの保守保全作業は、訓練を受けた技術者の目視確認、手作業(触診・打音・叩き落とし)に委ねられており、効率的で安全なインフラの保守保全法の確立が求められている。
 共同研究グループは、レーザ技術を基盤とした、技術者がトンネルの内壁に近づかなくてよい、遠隔的かつ効率的な計測法をこれまでに開発した。
 今回の実験は、同トンネルを片側通行止めの中で行われた。レーザ走行計測は、理研が開発したTDI(Time Delay Integration)方式を採用している。暗いトンネル内でも帯状のレーザ光を投影し、走行しながら反射光を蓄積していく特殊なセンサを開発し、時速30km以上の速度でも分解能200µmで全長192mのトンネル壁面を連続取得できる。
 また、レーザを用いて打音検査を行う「レーザ打音」は、西日本旅客鉄道株式会社およびレーザ総研らが先行して研究開発している。レーザ総研らは、レーザ干渉計測法等の開発により、従来の手作業の打音検査と比較して20倍の速度で検査可能な装置の開発に成功した。今回の実験では、レーザ総研らが開発した1秒に50回の打音検査が可能な装置を中型4tトラックに搭載し、理研が事前に表面計測したひび割れ箇所に対してSTOP & GOでレーザ打音検査を行った。
 これらの技術はそれぞれ、現在インフラの保守保全作業で行われている目視確認と手作業による触診、打音検査、叩き落としに相当する方法。理研ベンチャー、株式会社フォトンラボが中心となり、保守保全作業を遠隔、非接触かつ高速に行う社会実装を進めている。
(詳細は、http://www.riken.jp)