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AIベースデバイス、早期診断に体液内の動く寄生虫を検出

December, 17, 2018, Los Angels--UCLAサミュエル工学部の研究チームは、サンプル内で動く寄生虫を自動検出するデバイスを開発した。これにより、顕微鏡よりも早く感染を特定することが可能になる。
 デバイスは、20分で3ミリリットル以上の液体を分析する、これは標準的なイメージングよりも遙かに高速である。また、血液全体でミリリットルあたり10個の寄生虫を検出することができる、これは現在の方法が検出できる量の約5倍になる。
 研究成果は、Light: Science & Applicationsに発表された。
 デバイスは、レーザ光でサンプルを照射し、液体が生成するホログラフィックパターンを高フレームレートビデオで記録する。次に動作分析アルゴリズムが目標寄生虫の動きを視覚信号に変換し、これによってデバイスは人工知能を使って寄生虫の数を検出し、カウントすることができる。
 「プラットフォームは、微視的世界の動作感知器のようである。液体サンプルの中のどんな動く対象にでもロックオンできるからである。動作は、バイオマーカーと、寄生虫を正常細胞から区別するコントラスト機構の両方に使用される」と論文の筆頭著者、Yibo Zhangは説明している。
 研究チームは、血感染寄生虫、睡眠病とシャーガス病の原因、トリパノソーマを特定するテストをした。また、性感染する病気、トリコモナス症の原因、膣トリコモナスの検出もテストした。
 「高感度で、使いやすく、ローコスト、可搬であるため、われわれのデバイスは寄生虫スクリーニングを改善する。特にリソースが少ない地域で、伝染病が地域特有となっているところでは有用である」とUCLAポスドク研究者、Hatice Ceylan Koydemirはコメントしている。
 このデバイスはコンパクトで、重量4ポンド足らず。プロトタイプ構築コストは1850ドル以下だったが、量産では800ドル以下で製造可能である、研究チームは説明している。