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米国海軍研究所、新単層材料の開発

December, 5, 2018, Adelphi--海軍研究所(NRL)の研究チームは、二酸化タングステン(WS2)など、新しい単層半導体の光学特性に観察される大きな変動の理由を発見した。WS2など単層遷移金属二カルコゲン化物(TMD)は,新しい種類の材料で、多くの有望なオプトエレクトロニクス特性を示しており、将来のデバイスアプリケーションに期待されている。
 AFMでナノスケール欠陥密度の空間変動を計測することで、研究チームは、その結果を、材料の光学発光における同様の変動に関連づけることができた。光学発光は、欠陥密度が高い領域では強く抑制されており、明確な逆相関が実証された。ナノスケール欠陥性質関連でメゾスコピック現象を理解できることは、将来のアプリケーション向けた2D材料の最適化とエンジニアリングで大きな前進である。
「TMD特性は、成長法あるいはまたデバイス加工に起因する様々な欠陥によって強く影響をうけると考えられている。欠陥関連現象を理解することは重要ではあるが、広い範囲にわたる欠陥の観察は難しく、TMD光学現象および電気現象の詳細な理解は、ナノスケールであるためにできなかった」と主席研究者、Dr. Berend Jonkerは説明している。
 NRL研究チームは、こうした問題への対処にコンダクティブAMFを使い、単層WS2サンプルの欠陥密度を数十µmの長さスケールで定量化した。チームは、これらの欠陥密度の空間変動を、サンプルが光励起される時の対応する領域から放出されるPLとして知られる光強度と関連付けた。欠陥の10倍減少は,PL強度の10倍増となった。
「これらの結果は,欠陥の存在が半導体の発光能力を制限することを示しており、PLに観察される理解しにくい空間変動を説明している。われわれはこの現象を記述するモデルを開発することができた。そこでは、電気的に活性な欠陥が、非放射再結合のサイトとなり、したがって発光を低下させる」とJonker氏は説明している。
(詳細は、https://www.nrl.navy.mil)