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スタンフォード大、ヤモリの耳に似た微光検出器を開発

November, 15, 2018, Stanford--ヤモリの耳を真似てナノワイヤを構築することで、スタンフォード大学の研究チームは、光の入射角を記録する方法を見いだした。この技術は、ロボットの視覚、写真、ARにアプリケーションがある。 
 ヤモリや多くの他の動物の頭は、ノイズの位置をわれわれと同じように三角測量するには小さすぎる。その代わり、それらの動物の頭には小さな穴があり、音波が来る方向を見つけるために、跳ね回る入射音波を計測することができる。
 微小サイズと三角測量方式の問題に直面し、スタンフォード大学の研究チームは、入射光の角度を検出する似たシステムを考案した。そのようなシステムでは微小カメラは、大きなレンズなしで、光がどこから来るかを検出できる。
 「光があちこちの方向から来ることを教える小さなピクセルをカメラに搭載するのは難しい。理想的には、ピクセルは非常に小さく、現状、髪の毛の1/000程度だからである。したがって、非常に接近した2つの目を持ち、それらを交差させて光がどこから来るかを見ようとするようなことになる」と材料科学/光学教授、Mark Brongersmaは説明している。
 研究成果は、Nature Nanotechnologyに発表されている。
 研究チームは、多くの光特性を記録できる微小ディテクタに取り組んでいる。光の色、偏光、さらに光の角度。研究チームが知る限りでは、論文に発表したシステムは、この小さな設定で光の角度を判断できることを初めて実証したことになる。
「光の方向を決定する一般的な方法は、レンズを使うことである。しかしレンズは大きく、ほとんどのバクテリアよりも小さくなるように、デバイスを縮小すると、類似のメカニズムがない」と電気工学教授、Shanhui Fanは言う。
 より詳細に光の方向が判断できると、それは、レンズレスカメラ、AR、ロボット視覚の進歩をサポートすることになる。
 音が直接ヤモリの頭越しに来るのでないなら、基本的に一つの鼓膜が音波エネルギーの一部を取得する、取得されない音波エネルギーはもう1つの方に通り抜ける。この推定は、ヤモリや同様の穴を持つ他の15000種の動物が音の方向の判断に役立っている。
 研究チームは、2つのシリコンナノワイヤを使い、フォトディテクタのこの構造を模倣している。ナノワイヤは、それぞれ約100nm径、ヤモリの鼓膜のように隣接して並んでいる。それらは非常に密接配置されているので、光がある角度で入ってくると、光源に最も近いワイヤがその波と干渉して隣接ワイヤにあたり、基本的に影を落とす。光を検出する最初のワイヤは、すると最強電流を流す。両方のワイヤの電流を比較することで、研究チームは、入力光波の角度をマッピングすることができる。
 このシステムの当初の構築では、ヤモリはインスピレーションになっていなかった。ウイスコンシン-マジソン大学電気工学・コンピュータ工学の院生、Soongyu Yi、論文の筆頭著者は、その研究がすでに始まった後に、チームの設計とヤモリの耳の類似性を偶然見つけた。ヤモリの耳とこのフォトディテクタの両方を説明する同じ数学が、同様に密接に配列された原子間の干渉現象を記述している。
 Fanは、「理論面では、量子力学につながる基本的な推論概念の多くが、実用利用可能なデバイスに現れることがわかり、実に興味深い」とコメントしている。