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量子コンピュータ、マシンラーニングでビッグデータに取り組む

October, 25, 2018, West Lafayette--2秒おきに米国の電力網を計測するセンサは、3ペタバイトのデータを収集する。隔絶されたデータベースに重要情報が蓄積されている時には、その規模でのデータ解析は大きな課題である。
 ソリューションに取り組んでいるパデュー大学(Purdue University)の研究チームは、データヘースのアクセス可能性をスピードアップするために、量子アルゴリズムと古典的コンピューティングを小規模の量子コンピュータで統合しようとしている。研究チームは、電圧、電流、発電について電力網の情報を収集したエネルギー省(DOE)国立研究所のセンサ、位相ベクトル計測ユニットからのデータを使用している。これらの値は、変動するので、電力網を安定に保つには、センサを継続的にモニタリングすることになる。
 化学物理学、主席研究者、Sabre Kais教授が、電力網が生成する膨大なデータを計算するための新しい量子アルゴリズム開発研究を主導する。
 「データ解析に利用されている非量子アルゴリズムは、電力網の状態を予測できるが、電力網にますます多くの位相計測ユニットが配置されるようになるにしたがい、より高速のアルゴリズムが必要になる。データ解析用の量子アルゴリズムは、理論的な意味で計算を大幅に高速化する可能性はあるが、そのような膨大なデータを処理できる量子コンピュータ実現には大きな課題が残っている」とコンピュータ科学教授、Alex Pothenは指摘している。
 研究チームの方法には、多くの実用的なアプリケーションがある。例えば、サプライチェーンや物流管理の最適化支援などである。また、量子ボルツマン(Boltzmann)マシーンとして知られるアーティフィシャルニューラルネットワーク(ANN)を使い新しい化学的、材料的発見につながる。この種のニューラルネットワークは、マシンラーニングやデータ解析に利用される。
 「われわれは、電子構造計算を正確に行うために量子ボルツマンマシーンを利用するハイブリッド量子アルゴリズムをすでに開発している。われわれの概念実証は、小さな分子系で成果を挙げている。これによりわれわれは分子を選別し、新しい材料の発見を加速することができる」とKaisは説明している。
 その成果は、Nature Communicationsに発表されている。
 マシンラーニングは、数百万の小さな分子の近似電子特性を計算するために使用されているが、これらの分子系を操縦するのは化学物理学者にとって課題となっている。研究チームは、彼らの量子マシンラーニングアルゴリズムが、これに対処できると考えている。
 そのアルゴリズムは、ソーラファーム最適化にも使用可能である。ソーラファームの寿命は、天候に依存して変化する。電気コンピュータ工学教授、Muhammad Alamによると、天気によって太陽電池は、年ごとに劣化するからである。量子アルゴリズムの利用は、所定の地理的位置にあるソーラファームやその他の持続可能エネルギー技術の寿命判定を容易にし、ソーラ技術の効率化向上に役立つ。
 Kaisは、「マシンラーニングと量子コンピューティングを統合することは素晴らしい。量子コンピュータ構築では近年、すぐれた進捗が見られた。量子マシンラーニング技術は、ビッグデータに新しいパタンを見つける強力なツールになるだろう」とコメントしている。
(詳細は、www.purdue.edu)