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MIT、超高速カメラ向けオプティクス

October, 18, 2018, Cambridge--MITの研究チームは、新しい写真用オプティクスを開発した。これは、光コンポーネントのアレンジに依存する従来のアプローチではなく、オプティクス内部の反射光のタイミングに基づいて画像をキャプチャする。この新しい原理は、研究者によると、従来の写真オプティクスではできなかった時間、深さに感度があるカメラの新たなの可能性に扉を開く。
 特に、研究チームは、超短パルス光からの画像を解像するストリークカメラ、超高速センサ用の新しいオプティクスを設計した。ストリークカメラや他の超高速カメラは、Tb/sビデオ作成、閉じた本のスキャンに使われ、3Dシーンの深度マップを提供する。そのようなカメラは、様々な設計制約がある従来のオプティクスに依存している。例えば、所定の焦点長のレンズはミリメートルあるいはセンチメートルとなり、画像取得には、焦点長と同等もしくはそれよりも長い距離の位置にイメージングセンサを配置する必要がある。これは、基本的に、レンズが非常に長くなければならないことを意味する。
 MITがNature Photonicsに発表した論文で、研究チームは、レンズ系内部に注意深く設置したミラーで光信号を前後に反射させる技術を説明している。高速イメージングセンサが、個々の反射時に個別の画像をキャプチャする。その結果、連続画像は、各画像が異なる時間点に対応しており、レンズからの異なる距離に対応している。各画像は、その特定時間にアクセス可能である。研究チームは、この技術を「時間折り畳みオプティクス“time-folded optics.”」と名付けている。
 新しいオプティクスアーキテクチャには、一連の半反射平行ミラーがが含まれている。これは、光がミラー間で反射するごとに焦点長が短くなる、つまり「折り畳む」。レンズとセンサ間に一連のミラーを設置することで、研究チームはオプティクス配置距離を一桁圧縮し、それでもシーンの画像を撮ることができる。
 研究では、チームは時間折り畳みオプティクスの3用途を紹介している。超高速カメラと他の深さ感度イメージングデバイス。これらのカメラは、「TOF」カメラであり、光パルスがシーンから反射されてセンサに戻るまでの時間を計測し、3Dシーンの深さを推定する。
 
光学パスを時間に折り畳む
 研究チームのシステムは、フェムト秒レーザパルスをシーンに投影しターゲットを照射するコンポーネントで構成されている。従来の写真オプティクスは、光が湾曲ガラスを進むにつれて光信号の形状を変える。この形状変化がセンサ上に画像を作る。しかし、研究チームのオプティクスでは、信号がセンサに直接向かう代わりに、光をトラップし反射するように配置されたミラー間で信号はまず前後に振動する。これらの反射の各々が「ラウンドトリップ」である。各ラウンドトリップで、センサが一部の光を捉えるようにプログラムされており、特定の時間間隔で撮像する、例えば、30nsごとに1nsスナップショットを撮る。
 主要なイノベーションは、光の各ラウンドトリップが、画像を撮るために位置づけられたセンサのある焦点をレンズ近くに動かすこと。これにより、レンズは大幅に縮小する。ストリークカメラは、従来のレンズの長い焦点長で画像を撮ろうとする。時間折り畳みオプティクスでは、最初のラウンドトリップが焦点長を一連のミラー長の約2倍にレンズに引き寄せ、それに続くラウンドトリップが、焦点を一段とスチールに近づける。ラウンドトリップの数に従い、センサは、レンズの極近くに配置可能である。
 センサを正確に焦点に位置づけることにより、カメラは、鮮明な最終画像を撮ることができる。これは、ラウンドトリップ全体で決まる。光信号の様々な段階、それぞれが異なる時間にコードされており、信号が画像を生成する形状を変える(最初の数ショットはぼやけているが、いくつかのラウンドトリップの後に、ターゲットに焦点が合う)。

論文では、研究チームは、レンズ開口から53㎝離して設置された、“MIT”と刻まれたマスクを通してフェムト秒光パルスをイメージングすることでこれを実証している。画像を撮るために、従来の20㎝焦点距離レンズは、センサから約32㎝離して設置しなければならない。しかし、時間折り畳みオプティクスは、5往復後、焦点に画像を引き込み、レンズとセンサの距離はわずか3.1㎝となる。
 これは、よりコンパクトな望遠鏡レンズの設計で有用である。例えば、宇宙の超高速信号を撮る望遠鏡。あるいは、地上面を撮像する衛星用にもっと小型で軽量なレンズを設計するような場合である。

 研究チームは次に、相互に約50㎝離れた2つのパタンを撮像したが、各々がカメラの見通し線内にある。“X”パタンは、レンズから55㎝離れてお、“II”パタンは、レンズから4㎝の距離だった。オプティクスを精密に再配置、1つは、2つのミラー間にレンズを置く、これにより、各ラウンドトリップが一画像取得で新たな拡大を得られるように光を成形した。そのようにすると、各ラウンドトリップでカメラがズームインするかのようになる。レーザをシーンに照射すると、ワンショットで、結果は2つに分かれ、焦点画像となる。最初のラウンドトリップで撮ったXパタン、第二のラウンドトリップではIIパタンとなる。

研究チームは次に、超高速マルチスペクトル(つまりマルチカラー)カメラを実証した。2つの色反射ミラーとブロードバンドミラーを設計。1つは、1色を反射するように調整し、レンズに近づけ、もう1つは2つ目の色を反射するように調整し、レンズの後方に離して設置した。“A” と “B”のマスクをイメージングし、Aは第2の色を照射、Bは1番目の色を照射、両方とも1psの数10分の1である。

光がカメラに入ると、最初の色の波長は直ちに、最初のキャビティで前後に反射され、その時間はセンサで測定された。しかし第2の色の波長は最初のキャビティを通り抜けて第2のキャビティに入る。時間はセンサにわずかに遅れた。研究者は、どの波長が何時センサに当たるかを知っているので、個々の色を画像に重ねた、第1の波長は第1の色に、第2は第2の色に重ねた。これは、深さセンシングカメラで利用できる。現状では、そのカメラは赤外だけしか記録できない。

論文の重要な特徴は、キャビティ間隔を工夫することで、あるいは異なるタイプのキャビティ、センサ、レンズを工夫することで、多くの異なるオプティクス設計に開かれていることである。
(詳細は、http://news.mit.edu)