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Science/Research 詳細

有機太陽電池は分子を正面向きにすることで効率が向上する

April, 11, 2014, Raleigh--ノースカロライナ(NC)州立大学とUNC-Chapel Hillの新しい研究によって、ドナー分子が、アクセプタに対して横向きではなく、正面向きに整列されている時、複雑な3D有機太陽電池の中でエネルギーがより効率的に移送されることを明らかにした。この成果は、より効率的で経済的に実現可能な有機太陽電池技術の設計と製造に役立つ可能性がある。
 有機太陽電池の効率は、材料によって光が吸収されたときにできるエネルギー粒子、励起子が、電池内のドナーとアクセプタ分子の間に接合面を簡単に見つけられるかどうかにかかっている。接合面で、励起子は電荷に変換され、電荷は電極に移動して電気となる。これは簡単なように聞こえるが、実際のところはドナーとアクセプタレイヤーの分子が混ざり、一団になり、ドメインを作り、ドメイン純度とサイズに差が出てくる。これは電力変換プロセスに影響をあたえる。さらに、ドナーとアクセプタ分子は形状が違い、それら相互の向き合い方が重要になっている。
 NC大の物理学者、Harald Ade、UNC-Cahpel Hillの化学者、Wei Youの研究チームは、構造のどのような面が効率に最も影響をあたえるかを究明するために太陽電池の分子構成を調べた。このプロジェクトで研究チームは最新の軟X線技術を利用して、ドナーとアクセプタ材料内の分子の配向性を特定した。多様な太陽電池ポリマにおいてこの配向性を操作することで研究チームは、ドナーとアクセプタ間の正面向き整列が、横向き整列よりも電力生成で遙かに効率的であることを示せた。