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ロシア、衛星ナビゲーション用に高精度レーザ開発

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October, 12, 2018, Saint Petersburg--ITMO大学の研究チームは、、月と地球の距離を正確に計測するレーザを開発した。このレーザの短パルス幅とハイパワーがエラー低減に役立ち、月までの距離をわずか数ミリメートルまで測定する。このデータは、月の質量の影響に応じた、人工衛星の座標規定に使え、ナビゲーションシステムをより正確にできる。研究成果は、Optics Lettersに発表された。
 GPSとGLONASS “Global Navigation Satellite System”、システムの両方とも、地上の物体と複数の人工衛星との間の距離の正確な測定に基づいている。正確な物体の位置を保証するには、衛星座標は、可能な限り正確でなければならない。さらに、月の質量は衛星軌道に影響を及ぼすので、衛星の位置を計算するときには、月の座標を考慮に入れなければならない。月の座標はレーザで月までの距離を計測することで得られる。その位置精度は、レーザの特性に依存する。例えば、インパルスが短ければ短いほど、レーザのビーム広がりが小さければ小さいほど、レーザと月との間の距離の測定がますます容易になる。
 ITMO大学レーザ物理学研究所の研究チームは、月までの距離を数ミリメートルの誤差範囲で計測できる月計測器のためのレーザを開発した。そのレーザは比較的小サイズ、低い照射広がり、それに短パルス幅、高パルスエネルギー、高いパルス繰り返しレートという独自の組合せを特徴としている。レーザパルス幅64ps。レーザのビーム広がりは、長距離では照射輝度を規定するが、これは理論限界に近い。同等のデバイスと言われる計測器と比べると数倍低いビーム広がりである。
「実際、パルス幅が数10ピコ秒のレーザの作製はもはや技術的に難しくない。しかし、われわれのレーザの出力パルスエネルギーは、類似のものと比べて少なくとも2倍高い。グリーン波長で250mJ、赤外波長で430mJである。われわれは、200Hzという高いパルス繰り返しレートとエネルギー安定性を達成することができた。したがってパルスエネルギーは、パルス毎に変わることはない」とRoman Balmashnov氏は説明している。
 新しいレーザは、GLONASSナビゲーションシステムの月レーザ計測器に使用される。これにより、リアルタイムで計算して衛星の座標を補正することができ、ロシアのナビゲーションシステムが一段と高精度になる。ユーザを見つけるときの誤差範囲は、10㎝まで低減される可能性がある。
「われわれが開発したレーザは、いくつかの基準で最先端である。われわれのデータによると、世界で最も強力な、レーザ照射のパルス-周期ピコ秒光源である。厳密な測距アプリケーションだけでなく、このクラスのレーザは、軌道物体のイメージングにも使用できる。例えば、衛星や宇宙のデブリだ」とレーザ物理学研究所長、Andrey Mak氏はコメントしている。