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NUS研究者、量子スピン効果の直接観察法を開発

September, 10, 2018, Singapore--シンガポール国立大学(NUS)工学部の研究者は、材料の電子量子力学的振る舞いを間近で見る新しい方法を発見した。これにより、将来の量子コンピューティングアプリケーションに材料がどのように使用できるかの理解を深めることができる。
 Google、Microsoft、IBMなどの企業はすべて、世界初の実用的な量子コンピュータを実現しようと競っているので、世界中の研究者は、それを構築するために使用できる潜在的な材料を探求している。
 現在、NUS工学部電気・コンピュータ工学部、Yang Hyunsoo助教のチームは、量子コンピューティングを現実に近づけるために使用可能な新しい方法を実証した。
 「NUSチームは、Rutgers、RMIT大学のチームと協力して、トポロジカルインシュレータ、重金属における電子の量子効果を観察し調べる実用的な方法を示した。これは、後に、先端的な量子コンピューティングコンポーネントやデバイスの開発に道を開く」とYangは説明している。
 研究成果は、Nature Communicationsに掲載された。

量子スピン効果の可視化
 NUS研究者の実際のブレイクスルーは、スキャニング光起電力顕微鏡を使った、トポロジカルインシュレータと金属における初の特殊スピン現象の「観察」能力である。
 トポロジカルインシュレータは、電子材料で、内部では絶縁するが、表面では伝導状態をサポートする。したがって電子は物質の表面に沿って流れる。
 研究チームは、トポロジカルインシュレータBi2Se3 およびBiSbTeSe2とともに、プラチナ金属を調べた。印可した電流は、これらの材料全てに、量子レベルでの電子スピンに影響を与え、研究者は顕微鏡の偏光を使ってこの変化を直接可視化することができた。
 さらに、他の観察技術と違い、その画期的な実験セットアップは、結果が室温で収集できることを意味しており、多くの他の物質に適用可能な可視化の実用的な方法になっている。
 論文の筆頭著者、Liu Yangは、「われわれの方法は、さまざまな材料系でスピン蓄積を検出するために、強力で普遍的なツールとして使用可能である。これらの現象が、この方法で直接観察できるようになったので、量子コンピュータ用に、よりすぐれたデバイスの開発がより容易になる」と話している。
(詳細は、http://news.nus.edu.sg/)