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Science/Research 詳細

絶対に安全な情報通信を実現する量子ドット技術の研究開発を推進

August, 30, 2018, 大阪--大阪大学産業科学研究所の大岩顕教らの研究グループは、量子ドット上にブルズアイ型の表面プラズモンアンテナを作製することにより、光子が効率よく量子ドットへ集光され、約50倍以上効率よく、量子ドット中の単一電子へ変換できることをシミュレーションで明らかにし、表面プラズモンアンテナが光子から電子への変換効率を大幅に向上する有効な方法であることを初めて提案した。
 同研究グループは、量子力学の原理で盗聴されたことが検知できる量子暗号通信や量子ネットワークをファイバ網で実現するため、量子通信を長距離化する量子中継技術の研究開発を推進している。量子通信では長距離化が最重要課題であるが、まだ方式や有力なデバイスは確立していいない。研究グループは、半導体量子ドット中の電子スピンを使って、この量子中継技術の実現を目指している。現在、光子から電子スピンへの量子状態の正確な変換や、光子対から電子スピン対へのもつれ変換の実現に取り組んでいる。量子中継では、ダイヤモンド窒素-空孔中心のスピンなど有力な競合候補があるが、光子から量子ビットへの変換効率の向上は、量子通信の伝送レートに大きく影響する共通して重要な課題の一つ。

研究成果のポイント
・半導体量子ドットを使い、量子ネットワークのための量子中継技術の開発を推進<長距離化の問題を解決して、絶対に安全な情報通信の実現を目指す
・単一光子から単一電子への変換効率を向上させる手法を提案。表面プラズモン効果を使い50倍程度変換効率を増大させることが可能に<量子情報通信実用化の課題解決への道

(詳細は、http://www.osaka-u.ac.jp/ja)