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27.1%の効率達成、imecのペロブスカイト-シリコンタンデム電池

July, 31, 2018, San Francisco--ベルギーの研究開発センターimecは、EnergyVilleパートナーシッププログラムの一員として、4端子のペロブスカイト・シリコン太陽電池タンデム構造の太陽電池モジュールを改良し、27.1%の変換効率を達成した。
この新しいimecのタンデム太陽電池は、スタンドアロン型で最も効率の高いシリコン太陽電池よりも優れている。ペロブスカイト材料のエンジニアリングをさらに強化することで、30%を超える変換効率の実現が期待できる。
 ペロブスカイトマイクロクリスタルは、高性能薄膜太陽電池作製のための有望な材料系である。高いパワー変換効率を達成できる薄く、軽量な半透明のモジュールへの加工が可能であり、安価に製造でき、太陽光の吸収効率を高くできる。材料は半透明にできるので、ペロブスカイト太陽電池とモジュールはシリコン太陽電池の上でも使うことができる。ペロブスカイトを慎重に設計すると、ペロブスカイトの吸収は、シリコン電池に生ずる熱損失を最小化する。その結果、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池は、30%を超えるパワー変換効率を達成できる。
 imecの新しい記録的多層セルは、Solliance提携内で開発された0.13c㎡スピンコートペロブスカイト電池を利用している。これは、4端子構成の4c㎡産業用交差指型背面接触(IBC)シリコン電池上にスタックされている。これは、2端子構成と比較して、高い年間エネルギー収量を持つことで知られている。さらに、4c㎡IBCシリコン電池上の4c㎡ペロブスカイトモジュール使うことで多層デバイスの機能を高めることができ、25.3%の多層効率画達成できた。これはシリコン電池の単独効率を上回る。
 imec/EnergyVilleの博士研究者、Manoj Jaysankarは、「われわれはこのタンデム技術に2年間取り組んできた。従来バージョンとの最大の違いは、ペロブスカイト吸収体のエンジニアリングと加工にある。シリコンとのタンデム構成で効率を最適化するためにバンドギャツプを調整した」と説明している。
 「産業用シリコンPV上にペロブスカイトを加えることが、PVの効率をさらに改善する最もコスト効率のよいアプローチであると言える。従って、われわれはより高効率を研究しているPV価値連鎖のすべての企業と提携して、この有望な道を探求して行く」とimec/EnergyVille薄膜PVグループリーダー、Tom Aernoutsは結論づけている。
(詳細は、www.energyville.be)