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NYGCの3Dプリント微小流体キットで細胞分析を200倍安価に

March, 12, 2018, NY--NYの研究チームによると、単一細胞分析は、個別細胞が病気にどのように影響を与え、治療にどのように反応するかの研究に大きな潜在性があるが、コスト効果が優れていて使いやすい機器が難題である。
 Nature Communicationsに発表された研究によると、ニューヨークゲノムセンター(NYGC)とニューヨーク大(NYU)の研究チームは、3Dプリントされた可搬ローコスト微小流体コントローラを開発し、単一細胞配列の幅広い利用を容易にするための措置を講じた。臨床環境でその計測器の利用を実証するために研究チームは、関節リウマチの患者の骨膜組織を研究するためのデバイスをHospital for Special Surgery(HSS)に配置した。
 研究では、電気および空気コンポーネントともに、3Dプリントされたカスタムデバイスが、総コスト600ドル程度で簡単に得られ、組み立てられると説明されている。これは、市販システムと比べると、わずかなコストである。デバイスのフットプリントは小さく、ティッシュの箱程度。「ほとんどの市販マイクロ流体計測器は非常に高価だ。そのため、すべての研究室が、単一細胞分析にそれを利用できるわけではない。計測器の設計目的は、微小マイクロ流体の実行、特に、Drop-seqで、単一細胞RNA配列のための膨大な並列技術の実行である」とシニアリサーチエンジニア、William Stephensonはコメントしている。
 リウマチ研究と病気処置の世界的リーダーであるHSSの研究者および臨床医と協力し、研究グループは同計測器を使い、RA患者からの関節骨膜組織をプロファイルした。RAは、人口の1%に影響を与える自己免疫疾患で、関節に痛みを伴う膨らみがある。RAの正確な原因は不確定であり、患者の膨らんだ関節に見つかる多様な細胞が混乱を招いている。
 コントローラが可搬であるので、患者のサンプルを現場で、また手術直後に処理することができる、これによりサンプル品質を最適化するための取扱い移送を最小化できる。研究チームは、5名のRA患者から総数20387細胞のサンプルを収集し、細胞毎に個別の遺伝子発現パターンを見た。「このデータセットでわれわれは、RAを進行させる細胞の個々の下位個体群を特定する機会が得られた。たとえ、これまでに特性が評価されていなかったとしてもである」とRahul Satija PhDは説明している。同氏は、NYUの生物学准教授、論文のシニアオーサ。
 完全なデータセットを分析し、同じ細胞クラスタを探すことで、研究チームは13グループを特定した。これらは、浸潤免疫と炎症間質個体群の両方を代表している。特に関心のあったのは、まったく異なる遺伝子発現パターンの繊維芽細胞の明確なグループであった。「外科切除後、約1時間で、患者の組織からの個々の細胞は、単細胞配列に対してラベリングされた。この作業から、われわれは、これまで認識されていなかった繊維芽細胞を分類した、RA患者にとってはこれが重要な薬剤標的として判明する可能性がある」と、論文の筆頭著者Laura Donlinは指摘している。研究チームは、フローサイトメトリを使ってこれらのマルチグループの存在を立証することができた、また、それらが関節組織と同様に明確な局所パターンを示すことも発見した。
 このデータセットは、RA患者の骨膜組織の包括的「細胞アトラス」を作成するための一歩前進である。前進するために、研究チームは、さらに多くのRA患者からのデータを蓄積し、他の関節炎状態、乾癬性関節炎、骨関節炎などからの患者サンプルの入手も目標にしている。
(詳細は、www.nygenome.org)