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VTT技術研究センター、完全自動運転で雪道を走る自動車を開発

December, 26, 2017, Espoo--フィンランドVTT技術研究センター(VTT Technical Research Centre of Finland Ltd)が開発したロボット自動車、Marttiは、実際に雪で覆われた道を完全自動運転で走った初の自動運転車である。さらに、MuonioのAurora E8インテリジェント道路で40 km/hの新スピード記録樹立に成功した。これは、非公式の世界記録である。
 Marttiは、Volkswagen Touaregのシャーシをベースに開発された研究車輌。Marilyn同様、同車輌はカメラ、アンテナ、センサ、レーザスキャナを装備している。センサの数や設置場所は車輌間で異なっている。例えば、Marttiは車の前方だけの環境をセンシングする3つのレーザスキャナを搭載しているが、Marilynのスキャナは、前方に2つ、後方に1つとなっている。
 「2017年春、研究チームが、自動運転車両Marilynを走らせた。これにより、この秋には、MarttiがMarilynと調和し、GPSとルートの位置情報に従うことができるようになった」とプロジェクトマネージャ、Matti Kutilaは話している。
 Muonioのインテリジェント道路上で、Marttiは集中トレーニングも受けた。「明らかに確固たる考えがあった。24時間の連続トレーニングセッションの後、機能が始動。それよりも前に、Marilynには多くの作業が必要だった。その制御ソフトウエアが最初から作られたからである。Marttiは同じソフトウエアを使ったので、小さな手直ししか必要としなかった」とAri Virtanenは説明している。同氏は、その車と装備の製造責任者。
 Marttiは、しばらく走った後に増速が許されると、スピード記録を達成した。「雪に覆われた車線区分のない大地で降雪の中、40 km/hを出したことは、おそらく完全自動運転による世界新記録である。もっとスピードを上げることもできたが、テストドライビングでは、40 km/hの限界を超えないようにプログラムされている」とVTT RobotCar Crew、Matti Kutilaは指摘する。
 VTTの自律走行車の次のステップは、光コンポーネントの波長を変え、レーダの分解能を高め、センサの機能をモニタリングするソフトウエアのインテリジェンスをさらに強化することである。これらの狙いは、滑りやすい路面でも段階的に車輌の機能を強化することである。そのような道路では、道の端が隠されていたり、霧が視界を邪魔する可能性がある。
 VTTの自律走行車は5Gシステムの開発に密接に関連しており、例えばTakes’ Challenge Finlandプログラムの一環である5G-SAFEプロジェクトで、自動運転の機会を活用する。VTTは、厳しい天候条件での自動化開発でヨーロッパの自動車産業と密接に協力している。
(詳細は、www.vttresearch.com)