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高感度のチップベースセンサを開発

November, 8, 2017, Pennsylvania--ペンシルベニア州立大学の研究チームが開発した光ウイスパリングギャラリモード(WGM)共振器は、微小球の周囲を数100万回光を回転させるることができ、多くのアプリケーション向けに超高感度マイクロチップベースセンサを実現する。
「WGM共振器は、基本的に光共振器であり、少なくとも20年前から積極的に研究されてきた。これまでは、光ファイバ端をブロートーチに触れさせ、溶けたファイバが再凝縮すると、先端に球が形成され、それを光源と結合してセンサを造った」と電気工学教授、Srinivas Tadigadapa氏は説明している。
 このタイプのセンサは固体球で構成されており、微細加工法に適合しないが、同教授のチームが最近画期的な方法を開発した。驚くような感度をもつオンチップガラス微細球形シェルを成長させる方法である。これは、運動、温度、圧力、生化学センシングに使える可能性がある。
 その中空ホウケイ酸ガラス球は、シリコン基板上にエッチングされた密閉、加圧円筒キャビティから造られる。吹きガラス技術を使い、高温と外部真空圧下の薄いガラスウエファがほぼ完全なバブルを形成する。研究チームは、直径230µm~1.2㎜、肉厚300nm~10µmのたくさんの球を成長させた。
「球の底は、基本的に孔があくまで薄くなっている。光を球の外側に置くことができるが、全ての化学はシェル内面で行われる。特定したい被検物を持ち込むことはできるが、それは内部表面で行われる。可能性は非常に多い。化学センシング、蒸気センシング、生物物理センシング、圧力センシング、傑出した温度センシングが可能である。
 高品質センサ実現の決め手は、球の赤道面、中心が確実にチップ表面上にあることを研究チームは見いだした。
 論文は、”On-Chip Glass Microspherical Shell Whispering Gallery Mode Resonators”。
(詳細は、www.psu.edu)