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Science/Research 詳細

ペロブスカイト結晶の強力な発光機能は構造の欠如原子が原因

October, 16, 2017, St. Thuwal--アブドラ国王科学技術大学(KAUST)の研究チームがペロブスカイトの強力なフォトルミネッセンスの秘密を発見したので、ほとんど研究さていなかったペロブスカイト材料ファミリが広範な電子デバイスで用途が見つかると見られている。
 ペロブスカイトは、優れた光学および電子特性で知られている幅広い材料グループ。一般式ABX3を持つペロブスカイト、特にペロブスカイト鉛トリハライドは、ローコスト、高効率太陽電池材料として極めて有望であるため、ほとんどすべての研究の注目を集めている。
 ペロブスカイトファミリの他のメンバーおよび派生も価値のある研究項目である、とKAUSTOsman Bakrグループのポスドク研究者、Michele De Bastianiは話している。
 同氏の研究グループは、A4BX6ブランチファミリのペロブスカイト、Cs4PbBr6を分析してきた。この材料は、強力なフォトルミネッセンスで知られている。これは一つの波長で光を吸収し、別の波長で再放出する能力。
 その材料の潜在的なアプリケーションには、LED電球の色変更コーティング、レーザ、フォトディテクタが含まれる。しかし個々のアプリケーションでその材料の光電特性を微調整できるようにするには、そのペロブスカイトフォトルミネッセンスが、それほど強力である理由の秘密を解決する必要がある。
 「フォトルミネッセンスの源泉を理解するためにわれわれは、Cs4PbBr6の構造と光電特性を調べた」とDe Bastianiは言う。材料の連続的分析を行い、Cs4PbBr6が180℃に加熱されたときに、そのフォトルミネッセンスが不可逆的に壊れることを研究チームは発見した。
 フォトルミネッセンスは二段階プロセスである。光吸収が、ペロブスカイト内の励起子と呼ばれる擬粒子ペアを生成する、それは再結合して光を再放出しなければならない。温度依存X線回折を用いて、熱を加えながら材料の構造的変化を追跡し、研究チームは、180℃で、その鉱物内にCs4PbBr6ナノクリスタルが形成されることを発見した。
 これらナノクリスタルを造る熱誘導の構造的再配列は、臭素原子が欠如しているという元の結晶内の自然な欠陥も吸収する、と研究チームは結論付けた。これら臭素欠陥は、通過しつつある励起子に対するトラップとして働く。これらのトラップの閉じ込められた励起子は、再結合して光を放出する傾向が強くなっている。