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脳全体を高速・制裁に観察できる新技術を開発

June, 23, 2017, 大阪--大阪大学大学院薬学研究科の橋本均教授、笠井淳司助教、未来戦略機構の勢力薫特任助教(薬学研究科招へい教員)らの研究グループは、脳の細胞や神経繊維レベルの微細な構造を識別できる分解能で、マウスや非ヒト霊長類の脳全体を高速に観察できるイメージング装置(FAST, block-face serial microscopy tomographyと命名)を開発することに成功した。
 認知・精神活動や運動の調節など、様々な機能を制御する脳は、多数(マウス脳は約1億個、ヒト脳では約1000億個)の細胞(神経細胞やグリア細胞と呼ばれる細胞)で構成され、領域や神経回路毎に異なる機能が担われているが、その全体を細胞レベルで捉える研究は、技術的に困難であるのが現状。脳の全体像を解明し、精神・神経疾患の克服を目指す研究に役立つ技術開発を目的として、FASTシステムを開発した。
 FASTは、脳組織の表面付近を、平面分解能1µm以下、深さ方向5µmで撮影したのち、その一部を振動刃のスライサで切断し、再び撮影することを繰り返して全体を撮影する連続切断法と、針孔写真機の原理を利用し、高速な撮影が可能なスピニングディスク共焦点レーザ顕微鏡を用いており、各部の構成やセッティングを精査して、最終的にマウス脳を2.4時間で撮影することが可能になった。この解像度では、従来よりも数十倍高速であり、例えば神経線維を観察することも可能。高精細になったことで、画像のファイルサイズはマウス脳の1色あたり約1テラバイト(TB)にもなりますが、FASTではこのような大規模な3次元の画像データを扱えるようにした。その速さを活かして多数の脳を撮影し、正常なマウスと疾患モデル動物の脳構造を比較すること、またコモンマーモセットの全脳や、ヒトの脳(死後脳)を高速・高精細にイメージングすることも可能になった。今後、精神・神経疾患の治療薬の開発に向けた橋渡し研究などへの応用が期待される。
 研究成果は、Neuronに掲載された。
(詳細は、www.osaka-u.ac.jp)