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赤外光を使う非接触計測分子温度計を開発

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June, 16, 2017, Berlin--ヨハネスグーテンベルク大学マインツ(JGU)の研究者は、ドイツ連邦材料研究・試験研究所(BAM)の研究者と協力して、分子温度計を開発した。
 宝石用原石ルビーが、インスピレーションの源として役立った。JGUの無機化学・分析化学研究所、Katja Heinze教授の研究チームが開発した温度計は、水溶性分子であり、不溶性の固体ではない。ルビーと同様、この分子は赤色になるクロム元素を含んでおり、そのために分子ルビーと呼ばれている。この分子ルビーは、溶解性であるため、多くの多様な環境で温度計測に使用できる。液体、固体、ナノ粒子、ミセルに導入することが可能である。したがって、材料科学、生物学、医学の分野で潜在的なアプリケーションがある。
 分子ルビーで温度を測ることは非常に簡単である。関係する場所を青い光で照射すると、それが分子ルビーに吸収され、次に2つの異なる波長で赤外放射される。温度により、2つの波長の一方に、より強い赤外発光がある。次に、2つの波長の対応する強度比に基づいて温度が決まる。HeinzeチームのSven Otto氏は、「簡単な発光分光計があればだれでもこの種の計測はできる。分子ルビーは、-63℃から+100℃で使え、それは日常活動に関連する範囲である」と説明している。
 光学的出力比の温度計測原理は新しいものではない。しかし、以前は一種類の光活性化剤を用いて計測することはできなかった。これまでは、研究者は常に2つの染料を必要としていた、1つは温度に依存して発光するもの、もう1つのリファレンス染料は温度無依存に発光する。そのため、合成とキャリブレーションが非常に難しかった。「それに対して、分子ルビーは安価な原材料でできているだけであり、温度計測にリファレンス物質を追加する必要はない。従来の温度計と同様に、対象に直接接触することなく、いつでも温度計測に使用可能である」。
(詳細は、www.uni-mainz.de)