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球状湾曲CMOSアレイにより画像品質向上

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June, 13, 2017, Washington--Microsoft ResearchとHRL Laboratories LLCは、著しく鮮明な画像、市販のイメージセンサを曲げる実用的なアプローチを実証した。
 Microsoft Researchチームのリーダー、Brian Guenterは、「市販のイメージセンサを曲げるわれわれのアプローチにより、新しい種類のカメラが実現する。非常に小さいが、画像品質は、遥かに大きなカメラに搭載されている画像センサに匹敵するレベルである。湾曲センサは、コンシューマカメラを改善するだけでなく、監視、ヘッドマウントディスプレイ、自動運転車用ナビゲーションの進歩のためのより優れたカメラ実現にも使える」とコメントしている。
 今日のカメラのほとんどは、様々な光学誤差、収差を補正する多数の光学素子でできたレンズを使用している。光学素子は、フラットセンサで検出できるように画像の操作も行う。フラットではなく、湾曲イメージセンサを使うことは、画像を補正しフラットにするための光学素子の仕事が減ることを意味し、使用する光学素子の数を減らすことができる。これは、小型、高速、安価なレンズになるだけでなく、光コンポーネントの他の特性の改善も容易にする。
 Optics Expressに発表された論文によると、Microsoft ResearchとR&D研究機関HRL Laboratories LLCの研究チームは、新たな方法により以前に報告されたよりも3倍湾曲したイメージセンサを作製できる。また、そのセンサはプロトタイプカメラに組み込むことができ、今日のハイエンド商用単一レンズ反射カメラ(SLR)カメラと比べて新しいセンサを搭載したカメラは視野全体でより高解像度の画像を生成できた。
 湾曲センサを作るために研究チームは、薄型CMOSイメージセンサウエファから切り出した個別センサを特注モールドに入れて、個々のセンサを空気圧でモールドに押し込んだ。
 研究チームは、その曲げ工程中に自由にフロートさせることでセンサのカーブがより大きくなるように誘導した。これにより応力が徐々に消えるようにした。また、特殊形状のモールドも使用した。これは、モールドにチップが押し込められるにしたがい、チップのエッジ周辺の応力形成が非常にゆるやかになるようにする。
 Neel Joshiによると、この作業には広範な実験が必要だった。
 試験により、センサを曲げることは、センサの電気的特性、イメージング特性に全く変化がないことが示されている。特殊設計f/1.2レンズのプロトタイプカメラを使った場合、湾曲センサでは同様のレンズを搭載したハイエンドSLRカメラの2倍以上の解像度が得られた。画像のエッジでは、湾曲センサはSLRカメラよりも約5倍鮮明であった。
 ほとんどのカメラは、イメージングセンサのコーナー周辺では光検出が低下するが、研究チームは湾曲センサに光損失がほとんどないことを示した。