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ETHチューリッヒ、量子支援型周波数計測開発

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June, 8, 2017, Wien--弱い電界、磁界の周波数を正確に計測することは多くのアプリケーションにとって重要である。ETHチューリッヒ(ETH Zurich)の研究チームは、量子センサが振動する磁界の周波数を前例のない精度で計測する手順を開発した。
 正確な周波数計測は、多くの科学的、技術的アプリケーションで極めて重要である。例えば、生物学的に関連する分子を分析するには、原子核が電磁波に反応する周波数を計測する。量子力学に基づいた新しい計測手順を使用することで、組織や細胞のすぐそばに微小なプローブを置き、そのような分析が可能になる。研究チームは、今後の周波数計測が何倍も正確になる方法を開発した。
 近年、世界中の研究者が高感度精密計測を目的として量子力学を利用しようとしている。量子センシングは、最近発表された欧州委員会のフラグシッププロジェクト、量子技術についての研究を強化するプロジェクトの柱の一つである。研究チームは、ダイヤモンドの窒素欠陥中心を利用する量子センサを理解している。そのような中心は宝石のほんのわずかな欠陥であり、原理的にもっぱら炭素原子を構成している。
 より正確に言うと、窒素原子は、結晶格子の炭素原子を置き換える。同時に、隣接する格子サイトに炭素原子が欠如している。そのような空孔のエネルギー状態は、2つのレベル(qubitとして知られている)の量子系を表しており、マイクロ波やレーザビームを使って制御可能である。その量子系を2つのエネルギー状態の重ね合わせにすることで、非常に弱い磁界あるいは電荷を計測することができる、しかし重ね合わせ、つまり「コヒレンス」が続く限りにおいてである。また、環境(デコヒレンス)によって破壊されない。
 Degen研究所、博士課程学生、Jens Bossの説明によると、周波数を正確に決定するには、可能な限り長く計測しなければならない。「われわれの技術が新しい道を開いたのはここである」。
 アイデアはシンプルである。カウントできる周期信号の振動が多ければ多いほど、相対計測誤差はますます小さくなる。窒素欠陥中心のコヒレンス時間に制約されないようにするため、ETHの研究チームは、ある工夫を考案した。コヒレンス時間内に一回の計測を行う代わりに、バック・ツー・バックでそのような計測を数100回行った。毎回、窒素欠陥中心の量子状態が、最初から重ね合わせ状態になる(つまり初期化される)。それらの計測から、特定の瞬間における周期信号の位相(瞬間的な状態)が決まる。最終的に、後にそのスナップショットから完全な振動を再構成するために、研究チームは高精度時計を使って、計測を同期した。その時計によって、研究チームは各スナップショットが撮られた正確な時間を記録することができた。
 この方法で研究チームは弱い磁気信号を数時間にわたり計測し、マイクロヘルツ以下でその周波数を決定することができた。「計測された信号の振幅はわずか170ナノテスラ、地球の磁場の100分の1以下であったが、SNRは10.000 to 1であった、そのような小信号では、これは非常に大きい」とKristian Cujiaはコメントしている。
(詳細は、www.ethz.ch)